【刀剣乱舞】美しい月が愛した神様【男主】PART2

第53話 ページ8

視界に入る光景は爽やかな風が吹く神域からいつもの賑やかな本丸へと移り変わり…
理玖と三日月が居なくてもあまり気にしていないという風に刀剣たちはガヤガヤと楽しそうに海ではしゃぎ回っている。
鶴丸が海に入って粟田口派の短刀たちに悪戯して泣かせ、見ていた一期にお覚悟されたり…

お小夜が持ってきた綺麗な貝殻や石を嬉しそうに受け取る左文字兄弟や山伏や同田貫、蜻蛉切、岩融が泳いで競争したり…
岩場でのんびりと座ってはしゃぎ回る刀剣たちを見守る石切丸や太郎太刀、数珠丸、小鳥丸など…
見ているだけで楽しくなるようで、静かに審神者部屋の座敷に座っていた理玖の顔に知らず知らずの内に笑みが浮かんでくる。

庭に作られた海なのに、まるで地平線の彼方まであるような感じで…
深さも普通の海と殆んど同じぐらいだ。


三日月「皆、楽しそうだな。そう言えば、兄様」

「ん？」

三日月「俺たちは刀だが、海に入ってしまっては錆びてしまうのではないのか？」

「いや、それはない。普通の海だったら錆びるだろうが、これは俺がお前ら用に作ったヤツだからな。錆びないように施してある」

三日月「はっはっは、流石兄様だ」

太鼓鐘「あー、理玖さんと三日月さん、やっと戻って来たのか！」

不動「ほら、ジイさん。こっちだ」

三日月「すまんな」


駆け寄ってきた短刀たちに手を引かれ、三日月もはしゃぐ刀剣たちの輪の中へと入っていく。
近付いてきた鶴丸や髭切などに何やらからかわれてるようだが、それもホケホケと笑って受け流すところは流石だろう。
勿論、理玖と三日月が居ない間に合った出来事を刀剣たちも承知している。

ので、そのことをネタに此処ぞとばかりに三日月をからかおうとするが、毎度毎度失敗に終わるようだ。
刀剣男士一のマイペースな三日月には理玖以外のからかいはあまり効かない。
相手が理玖であれば、演練の時のように耳まで顔を真っ赤に染めるだろうが…


歌仙「皆ー、かき氷を作ってきたよ」

愛染「かき氷！？」

長谷部「人数分持ってきてるから溶けない内に食べてしまえ」


厨房を担当している歌仙、燭台切、長谷部が持つお盆には茶碗一杯に盛られたかき氷が人数分乗っている。
シロップはストロベリー、ブルーハワイ、コーラ、グレープなどそれぞれが用意されているようだ。
短刀を筆頭に、我先に海から出てかき氷に駆け寄ろうとする彼らに長谷部の雷が落ちたようだ。

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