検索窓
今日:11 hit、昨日:4 hit、合計:117,870 hit

第51話 ページ6

口元を狩衣の裾で覆いながら微笑む三日月からは理玖を取り込もうとする色香が漂っていて…
廊下の向こう側からは刀剣たちの賑やかな声が聞こえてくるのに此処だけは別空間のように艶やかな空気が流れている。
勿論、三日月の言葉裏の意図に気付かない程、理玖は鈍感ではない。

フッと笑みを零し、静かに座っている三日月に近付き…
パチンと指を鳴らして本丸と理玖と三日月の空間を切断し、辺りは本丸ではない場所へと移り変わった。

その場所は理玖だけが持っている謂わば、最高神の神域。
その場所に入ることが出来るのはただ一人、三日月だけだ。
完全に二人になり、理玖は三日月の腕を引っ張って自分の腕の中へと抱き寄せた。


「なんだよ、誘ってんの?」

三日月「ふふ、そうかも知れぬな。して、兄様?俺は水着とやらの着方を知らんが…どうしてくれる?」

「なら、俺が着せてやるよ」

三日月「ん…」


三日月の顎に指を掛けて顔を上向かせ、その唇を深く塞ぎ…
まるで吐息まで貪るような激しい口付けを施しながら青色の狩衣に手を掛けてゆっくりと脱がしていく。
時折、理玖の指先が肌に触れる度に小さく身体を震わせて甘い吐息を吐き出す三日月はとても可愛らしい。

理玖の首に腕を回して必死に口付けに応える三日月に愛らしさを感じた理玖は笑みを浮かべながら角度を変えて何度も何度も口付けていく。
神域に満ちる二人の甘い吐息にお互いの熱は上がっていき…

パサリと最後の一つが三日月から取り払われ、素肌を隠すモノは何もなくなり…
それと同時にゆっくりと唇を離せば、銀色の糸がお互いを繋いでいた。


三日月「理玖兄様…」


潤んだ朝ぼらけの瞳で理玖を見上げ、強請るように自分から顔を寄せてくる三日月に理玖も笑みを浮かべて応えて…
一糸纏わぬその美しい裸体を静かに横抱きに抱き上げて神殿の方へと歩き出し、皆のところに戻るのは遅くなるかも知れないと思いながらも二人だけの甘い甘い時間が流れていく。



–––––––––––––……

神域の奥にある神殿に置かれているベッドから低くも甘い声が響き渡り、それに紛れて軋むスプリングの音や水音も聞こえてくる。
赤く染まる顔、生理的な涙で濡れる朝ぼらけの瞳、必死に縋り付く腕、濡れる唇から漏れる吐息と甘い声…
その何もかもが己の理性を奪い去っていく。


三日月「兄、様っ…んんっ…は、ぁ…」

「三日月、愛してるっ…」

三日月「俺もっ、愛してるっ…あぁっ!」

第52話→←第50話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (140 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
399人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , 三日月宗近 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふー - 重要なお知らせを開いてもないのですがどうしたらいいですか?何回も読んでしまいます❤️ (2021年12月4日 20時) (レス) @page28 id: eeeb0ed6b6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫1117(プロフ) - 理玖さんの小説とても面白いです!…そこで、リクエストしたいんですけど[テニプリ]の小説リクエストしたいです!高校は立海で!突然すみません!! (2019年9月22日 11時) (レス) id: 553a215cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ノクト - 理玖さん、いつも面白い作品有り難うございます。俺は一人っ子ですが、アレルギーで色々言われる事があるので、家族に言われる嫌味さ?見たいな事は分かります。でも頑張って下さい!応援してます。後、俺は女です。 (2018年4月26日 1時) (レス) id: 0d55308d0a (このIDを非表示/違反報告)
理玖(元海斗)(プロフ) - Aliceさん» ありがとうございます (2017年11月20日 21時) (レス) id: cad6e37131 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - ゆっくりでもいいから頑張ってね(⌒▽⌒) (2017年11月20日 16時) (レス) id: 55dc620b05 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:理玖(元海斗) | 作成日時:2017年7月12日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。