第49話 ページ4
元ブラック本丸の事実が明らかになり、こんのすけが人の身を得てから和樹と一緒に政府に戻って数十分––
大広間に居た刀剣たちもそれぞれ好きなように過ごしていて、いつも通りの穏やかな時間が流れる。
外で遊んでる短刀たちの賑やかな声が響き渡り、時折誰かの焦る声や怒鳴り声なども聞こえてくる。
それらを耳にしながら審神者部屋で三日月と共にのんびりと過ごしていた理玖は不意に顔を上げた。
今の時期は蒸し暑い日が続く真夏で、本丸の中は現代で使われているエアコンの冷房が効いてるおかげでとても涼しく、快適だ。
とは言え、それは中だけで一歩外に出れば一瞬で燃えるような暑さに変わる。
三日月「理玖兄様、どうした?」
「なぁ、三日月」
三日月「ん?」
「中だけでなく、外も暑いけど涼しく過ごせるようにしたいか?」
三日月「え?まぁ、そうだなぁ…本丸の中はこんなにも涼しいのに外は燃えるような暑さというのは流石の俺も参るなぁ」
「そうだろ?なら…」
三日月の言葉にニヤリと不敵な笑みを浮かべた理玖は徐に立ち上がってスパンっと勢い良く襖を開け放ち…
そこには審神者部屋に面した大きな庭が存在していて…
一体、理玖は何を思い付いて、何をするのかと後ろで見ている三日月は不思議そうに首を傾げている。
そんな三日月を知ってか知らずか、理玖はパチンと指を鳴らし…
すると、開け放たれた襖の向こうに広がっていた庭が一瞬で青色に染まり、周りには岩場などの涼む場所もあって、普通なら聞こえないザァザァという僅かな水音も聞こえてくる。
しかも、大きさも刀剣たち全員が余裕で入れる程で…
一瞬で変わった光景に三日月は朝ぼらけの瞳を大きく見開かせ、固まっていた。
「よし、これで良いだろ。おい、刀剣たち全員、俺の部屋に集まれ!!」
本丸全体に響き渡る理玖の声に反応してか、バタバタと聞こえてくる沢山の足音。
足音は審神者部屋へと向かって来て、スパンッとこれまた勢い良く障子戸が開かれ…
一番先頭に居た長谷部が声を掛けようとしたが、それよりも早くに視界に入って来た光景に三日月同様に固まってしまう。
庭であるハズのその場所全体を彩る青色、ザァザァという僅かな水音、周りにある岩場––
まるで現世にある海のようなそれに三日月も他の刀剣たちも固まるしかない。
最高神というのはなんでもあり、という太郎太刀の言葉が彼らの頭の中に浮かんだのは言うまでもない。
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ふー - 重要なお知らせを開いてもないのですがどうしたらいいですか?何回も読んでしまいます❤️ (2021年12月4日 20時) (レス) @page28 id: eeeb0ed6b6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫1117(プロフ) - 理玖さんの小説とても面白いです!…そこで、リクエストしたいんですけど[テニプリ]の小説リクエストしたいです!高校は立海で!突然すみません!! (2019年9月22日 11時) (レス) id: 553a215cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ノクト - 理玖さん、いつも面白い作品有り難うございます。俺は一人っ子ですが、アレルギーで色々言われる事があるので、家族に言われる嫌味さ?見たいな事は分かります。でも頑張って下さい!応援してます。後、俺は女です。 (2018年4月26日 1時) (レス) id: 0d55308d0a (このIDを非表示/違反報告)
理玖(元海斗)(プロフ) - Aliceさん» ありがとうございます (2017年11月20日 21時) (レス) id: cad6e37131 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - ゆっくりでもいいから頑張ってね(⌒▽⌒) (2017年11月20日 16時) (レス) id: 55dc620b05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:理玖(元海斗) | 作成日時:2017年7月12日 14時