第66話 ページ21
和泉守side
一週間、俺たちはまたこの人たちと一緒に過ごすことが出来る。
理玖さんには無理言って、この時代に連れて来てもらったが、正直俺はこの人たちと過ごすことが目的で来たわけじゃねぇ。
確かに加州や大和守は総司に会いたいからだろうが、俺は違う。
トシさんは俺の大事な元主だけど、結局過去は過去だ。
俺がこの時代に生きてたとしてもそれは刀だった頃の話で、付喪神としての俺じゃない。
だから、刀だった頃の主はトシさんだけど…今の主はトシさんじゃなく、理玖さんだ。
俺が理玖さんに無理言ってこの時代に連れて来てもらったのは過去に見切りを付け、ハッキリさせたかったからだ。
–––––––––––……
広間で俺たちの待遇が決まり、今は道場に来ている。
なんで広間に居た俺たちが道場に来てるのか…
それは一週間だけだが、隊士として新選組に入るのに当たって俺たちの腕を見ておきたいという近藤さんたちから言われたから。
俺たちが道場に来た時、丁度平隊士たちが稽古をしていたようで、今は壁際に寄って俺たちの様子を見学している。
道場の真ん中にそれぞれが幹部と対峙していて…
俺はトシさん、国広は平助、長曽袮さんは新八、加州は総司、大和守が斎藤だ。
俺たちは当然目の前に居る元主の刀剣だったため、流派や構えなどが酷似している。
勿論、それはこの人たちも承知だろうが…
近藤「それでは、準備はいいか?」
審判である近藤さんの言葉に頷き、それを確認した近藤さんから開始の合図が上がり…
その瞬間、道場内にガキーンっという金属音が複数響き渡る。
平隊士たちからどよめきの声が聞こえてくるが、そんなことはどうでもいい。
今俺は初めて元主のトシさんと刀を交えてる。
刀だった頃の夢がやっと叶ったようで、嬉しさで思わず笑みが浮かんでくる。
土方「はっ、流石は俺の刀ってか?やるじゃねぇか!」
和泉守「そりゃ、俺はアンタの刀だったんだから当たり前だろ?」
土方「言うじゃねぇか」
お互いにニヤリと不敵な笑みを浮かべて一度離れ、また刀同士をぶつけ合う。
俺たち以外も同じようで、やり合うアイツらは何処か楽しそうだ。
まぁ、俺と加州は兎も角、国広、長曽袮さん、大和守は相手が元主じゃないにしろ新選組幹部とこうして刀を交えてるんだ、嬉しくないわけねぇか。
左右から刀同士がぶつかり合う音が響き渡り、それが一層俺たちの熱を昂らせる。
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ふー - 重要なお知らせを開いてもないのですがどうしたらいいですか?何回も読んでしまいます❤️ (2021年12月4日 20時) (レス) @page28 id: eeeb0ed6b6 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫1117(プロフ) - 理玖さんの小説とても面白いです!…そこで、リクエストしたいんですけど[テニプリ]の小説リクエストしたいです!高校は立海で!突然すみません!! (2019年9月22日 11時) (レス) id: 553a215cd8 (このIDを非表示/違反報告)
ノクト - 理玖さん、いつも面白い作品有り難うございます。俺は一人っ子ですが、アレルギーで色々言われる事があるので、家族に言われる嫌味さ?見たいな事は分かります。でも頑張って下さい!応援してます。後、俺は女です。 (2018年4月26日 1時) (レス) id: 0d55308d0a (このIDを非表示/違反報告)
理玖(元海斗)(プロフ) - Aliceさん» ありがとうございます (2017年11月20日 21時) (レス) id: cad6e37131 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - ゆっくりでもいいから頑張ってね(⌒▽⌒) (2017年11月20日 16時) (レス) id: 55dc620b05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:理玖(元海斗) | 作成日時:2017年7月12日 14時