第32話 ページ35
先程まで熱気に満ちた演練会場は戦いが終わったと同時にシーンと静まり返ってしまう。
対戦場で重傷を負い、戦線崩壊している相手側の刀剣たちとは対照的に理玖側の三日月たちは遠戦によって刀装が数個砕けただけで、殆んど無傷で立っている。
遠戦は通常通りだったのだが、その後の白刃戦は流石本霊だけあり分霊とは比べ物にならないぐらいに強かった。
薬研や厚の短刀は持ち前の機動力で接戦し、脇差の鯰尾と打刀の大倶利伽羅は二刀開眼で連携し、太刀の三日月と小狐丸も太刀とは思えない機動力で相手に近付き、力強い打撃を喰らわした。
これが本霊と分霊の違いなのかと三日月たちの強さを見せ付けられた他の審神者たちは思わずには居られなかった。
大倶利「呆気ないな」
三日月「まぁそう言うでない、大倶利伽羅。俺たちが本霊であるのだから当然であろう。それに本霊である俺たちが分霊に負けては理玖兄様に示しが付かぬ」
大倶利「フン、そんなことは分かってる。俺は理玖さんのために勝利を収めるだけだ」
三日月「はっはっは、それは俺も同じだぞ。やはり、兄様のために勝利を収めるというのはなんとも気持ちが良いな」
大切で愛する理玖のために勝利を収めたことで心地よい達成感が身体を巡り、三日月はいつものようにポヤポヤと笑いながら本体を鞘に戻し…
後ろの方で自分たちを見ている理玖の元へ歩いて行く。
理玖は穏やかに笑みを浮かべながら歩いてくる三日月たちを見つめていて…
その笑みは人間たちに向ける表情とは全く違っていて、綺麗な金色の瞳の奥には確かな仁愛が篭められている。
愛する理玖からの仁愛の篭った眼差しを向けられるのは刀剣たちや人間以外の生き物だろう。
その中で三日月だけは仁愛ともまた違った感情が篭った眼差しを向けられている。
それこそ愛する恋仲に向けるモノと同じだ。
三日月「兄様、勝ったぞ」
「あぁ、お疲れ様。見てるだけで爽快な戦いだったな」
薬研「はは、確かな！でも、流石に分霊相手だから本気は出さなかったのは残念だな」
「それはまた今度出陣の時に思いっきり出せよ、薬研」
薬研「おう！」
サラサラとした薬研の髪を撫でれば、気持ち良さそうに目を細めながら笑みを浮かべ…
それを見ていた三日月や小狐丸、厚、鯰尾、大倶利伽羅までもが自分も撫でろと言わんばかりに迫ってくる。
刀剣たちに囲まれて理玖が浮かべるのはやはり、穏やかな微笑みだった。
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理玖(元海斗)(プロフ) - 腐男子さん» コメントありがとうございます！青鬼=ブルーベリー色の全裸巨人、でしょうか！？その全裸巨人が誰か分からないですが、面白かったようで良かったです！因みに巨人は……常に全裸ですよ(｀･ω･´)ｷﾘこれからもよろしくお願いします！ｯ (2017年8月9日 15時) (
レス) id: cad6e37131 (このIDを非表示/違反報告)
腐男子(プロフ) - 青鬼で、ブルーベリー色の全裸の巨人が頭に浮かんで吹いてしまったww (2017年8月9日 12時) (レス) id: 0ac4eb286b (このIDを非表示/違反報告)
理玖(元海斗)(プロフ) - 萠さん» コメントありがとうございます！続編、待っててくださるのですか！？ありがとうございます(*´∇｀*)頑張って続編も完成させますね！これからもよろしくお願いします！ (2017年7月10日 3時) (レス) id: cad6e37131 (このIDを非表示/違反報告)
萠 - 続編待ってます！応援してます！頑張ってください！ (2017年7月9日 20時) (レス) id: c6855e4cbe (このIDを非表示/違反報告)
理玖(元海斗)(プロフ) - 空絵エスカさん» 返信遅れました！成る程、やはりそうでしたか。四男、めっちゃ男前ですね！これぞニキですね。次男と三男も四男を見習ってください(笑) (2017年7月9日 16時) (レス) id: cad6e37131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：理玖(元海斗)
| 作成日時：2017年6月18日 7時
