【刀剣乱舞】美しい月が愛した神様【男主】

第24話 ページ27

「和樹」

茂庭「かしこまりました。君たち、明らかにブラックだと思われる人間たちを全員引き摺り出して来なさい」

『はい！』


ただ名前を呼んだだけで理玖の言いたいことが分かった和樹は後ろに控えていた部下たちにブラック審神者たち全員を引き摺り出すように指示を出した。
政府の役人たちが一斉にその者たちの元へ歩いて行き、ブラック審神者たちを容赦なく理玖と和樹の前へと引き摺り出して来た。

かなりの強さで引き摺り出されたのか、殆んどのブラック審神者は床に手を突いて転んでしまっている。
突然のことに演練会場に居る審神者も政府の役人も、当のブラック審神者たちも状況が理解出来ていない。
その中で理玖は無様に床に転がりながらこちらを見上げてくる人間たちに背筋を凍らせる程の冷たく、鋭い眼光を向けていて…


「貴様らが未だに刀剣たちを苦しめるブラック審神者共か」

『ヒッ！？』

「政府、これは一体どういうことだ？俺と和樹が散々忠告したハズだよな？貴様ら人間共の命は既に俺の手の内。少しでも刀剣たちを苦しめ、傷付けるのならば人間界諸共全ての人間共を滅ぼすと。まさか、聞いていなかったなんてことはねぇよな？」

『ま、まさか！貴方様はっ…！』

「ほぅ、察しがいいな。俺の名は理玖。世界を造り出した創造神であり、神々の頂点に立つ最高神でもある」

全「–––––っ！！？」


理玖の後ろに居る三日月たち以外の刀剣たちや人間たちの間に戦慄が走り、理玖から放たれる膨大な力と神々しい霊力と神気がその事実を物語って居る。
神々の頂点に立つ最高神を目の前にブラック審神者もそうじゃない審神者も政府の役人も、全員が恐怖で立ち竦んでしまう。
恐怖に耐えられずに無様に逃げ出そうとする者も居るが、理玖が入ってすぐに強力な結界を張ったせいで演練会場から出ることが出来ない。

それにより、全ての審神者と政府の役人たちが演練会場に閉じ込められ…
刀剣たちは一斉に理玖の方へと集まってくる。

人間たちと対峙する理玖の後ろに本霊の三日月たちを始め、他の審神者たちの分霊の刀剣たちも控え…
何故刀剣たちがと審神者たちが必死に刀剣たちに戻ってくるように訴えるが…
それでも分霊たちはそこから動く気配が全くない。


「さて、和樹。そこで転がってるブラック審神者共を生きたまま地獄に墜とせ。その後に刀剣たちの中に染み付いた腐った霊力と邪気を取り除いて本霊に戻す」

第25話→←第23話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す