To my dear

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「終わった…」





デスクワークをこなしていると、ちょうど定時になった





「お疲れ」

「あぁ、うん。」




隣から手が伸びてきたから何かと思ったらグミをくれた

菊池のデスクの引き出しにはお菓子がたくさん入ってる



「ありがとう」

「ん、」

「菊池まだ仕事あるの？」

「もう終わる」

「そっか」

「…何？」

「いや、何も無い」

「ふーん」




じゃあね、と言って菊池と別れてエレベーターに乗り込んだら「あっ、」と背後から声がした

え？と思って振り返ると、今朝の人がいた




「あ。…朝は本当にすみませんでした」






頭を下げると、「頭上げてください？」と困った顔をされた





「僕もぼーっとして歩いてたんで、お互い様です」





ははは、と愛想笑い

…入社当時はあんまり上手く出来なかったけど、2年目ともなると随分上達したのかも




「名前、お窺いしてもいいですか？」

「西本Aです」

「Aさん…いい名前ですね」

「ありがとうございます。あなたは？」

「僕は、松島聡です」





今後お会い出来るかわからないですね、なんて話していたらエレベーターは1階に到着した




松島さんの笑顔を見たら、今日１日の疲れがフッと消えた気がした






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