To my dear

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「おかえり」

「…まだ居たんだ」

「お前のためじゃないよ。ただ、仕事が残ってただけで…」









…嘘だ


めちゃくちゃ眠そうに欠伸を噛み殺してた癖に。
デスクの上には何も無い癖に。
暇を持て余してた癖に。








「…それより、何かあったんだろ？」

「まぁ、」

「取引先でなんか言われた？」

「何で知って…」

「やっぱりな」

「…………」

「今度から中島が行くってさ」








…迷惑かけちゃった

よりにも寄って、部長に、








「思ったより泣いてなくて良かったわ」

「え？」

「もっと泣いてるのかと思ったからさ」

「そんな泣かないし！」

「…あんまり、迷惑かけたとか思うなよ」

「だって…」

「お前は頑張ったからいいの。
中島が取引先のリスト作る時に、あの会社を消しておくのを忘れたって頭抱えてた
西本さん大丈夫かな、？って。」

「え、？」

「あの会社頭の固い人が担当者だから、対応できるの中島くらいなんだよ」









…そうなんだ、









「だから、そんなに抱え込むな。お前のせいじゃない
俺だってAと同じことになってただろうし」

「…っ、きくちぃぃ」









優しく微笑むから。

急に私に優しくするから。



無意識に抱きついちゃったじゃん…



それでも、よしよしって抱き締め返して背中摩ってくれるから余計に涙が溢れて。

スーツに鼻水付けんなよって笑われたけど、菊池が優しすぎる






調子狂うなぁ…









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