To my dear

34 ページ35

.







「ではみなさん。プロジェクトお疲れ様でした！」







田中さんの挨拶で始まった打ち上げ

プロジェクトは無事に成功を収めて、新商品も瞬く間に世間へと広まっていった









「Aさんお疲れ様です！」








隣に座ってる松島さんとビールのジョッキを掲げて乾杯した








「成功して良かったですね！」

「そうですね」







日中は感じることのないボトムノートにドキッとする









「…Aさんは、今週の土曜日空いてますか？」

「予定は…あ、午前中ちょっと用事が」







スケジュール帳を取り出して確認して思い出した

美容院に行って、そろそろ髪切ろっかなーって考えてたこと。







「そうですか…。僕、日曜日に友達と出かける予定が入っちゃってるんですよね、」







予定合わせるの難しいですね、って苦笑いされて申し訳なくなった

…別に、美容院に行くのは今度でもいいかな。







「予定キャンセルしますよ」

「えっ？」

「美容院行くだけなので」







…髪切るんですか？って少しだけ期待した目で見つめられる






「まぁ、」

「えー！じゃあ午後会いませんか？？」

「えっ？」

「Aさんの髪切った姿、1番に見たいです！」







急にテンションが上がった様子の松島さんの笑顔に胸がまた高鳴った







「そんな…見るほどのものじゃないですよ」

「いやいや！…絶対可愛いんだろうなぁ」

「えっ、！」

「あ、いや、！その…Aさん綺麗だから、」

「あ、ありがとうございます…」








私、絶対顔赤いよ、

なんとかお酒のせいだって誤魔化せないかなぁ。








.

35→←33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す