To my dear

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菊池と会社を出ると外はもう真っ暗だった

家の方向が真逆だし、使ってる路線も全く違うから改札抜けたら別れるのかと思ったんだけど…









「送ろうか？」







若干私に付いてきて、告げられたそれ。

…最近気づいたこと。

菊池は優しい







「大丈夫だし、菊池は定期圏外でしょ」

「…………」

「…ん？」

「……お前さぁ、」

「…………」

「自覚無さすぎ」









ずっと女性扱いされてないと思ってたのに、不意に出るさりげない優しさ

…これが菊池のモテる要因か、って納得した




ぽんぽんって頭を撫でられて、行くぞ ってホームに流れ込んできた列車に乗った

…え？嘘でしょ、








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「…ありがとう」

「うん」

「じゃあ、」

「あ、待って」








閉めかけたドアを手で止められてびっくりする








「前言ったこと、本当に気をつけろよ」

「先輩のこと？」

「うん。ていうかお前、自分の仕事ちゃんと自分でやれ」

「あれは先輩がやるよって言ってくれたからご好意に甘えて…」

「だからそれ、嫌な予感がするからやめろっつってんの」








よくわかんない菊池が、よくわかんないこと言ってる

…そんでもって、入社してからずっと一緒にいる同期がこんなに怒ってるのを見るのも初めてでどうしていいのかわからない







「先輩のことで何か不満があるの？」

「そういう訳じゃないけど」

「じゃあ別に関係ないよね？」








仕事を効率よく回そうとしてるのに、何が悪いの？

私が先輩に仕事を任せることが、そんなに不満？

…菊池だって人に任せたりするくせに。








菊池の考えてることがわかんない。

もういいってそのままドアを閉めて帰った菊池がわかんない。









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