To my dear

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「っあ〜！！うめぇ！！」








泡がヒゲみたいに付いてるけど気にせずに幸せそうな顔をする菊池は、なんだか可愛い

枝豆を摘むと、あのさ って話を切り出されて少しだけ身構える

私達に飛び交う言葉のやりとりはいつも仕事のものだったから、今回もそうだと信じて疑わなかった









「…………」

「ん？」

「…お前の仕事やってた先輩のこと、」

「あぁ、」

「…………」

「え、何？何か問題あるの？」

「…いや、やってもらったやつ１回確認した方がいいぞ」

「確認したけど別に何も無かったよ」

「…ならいいや、」

「うん」









意味わかんないけど、「これからもちゃんと確認しろよ」って言われて余計に意味わからなくなった






歯切れ悪っっ、

…え、話終わり？？





また澄ました顔でビール飲みやがった

…はぁ、これだからイケメンは。





全くもって意味がわかんないけど、とりあえず菊池の言う通りに従った方がいいかもって思った
直感だけど。







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「また奢ってもらっちゃった」

「いいんだよ。俺が誘ったんだし」

「ありがとうね？」









振り返って、少し後ろを歩く菊池の顔を覗き込む

そしたら、…あれ？菊池の顔が赤いかも、？

お酒のせいか。








「送るよ」

「え、大丈夫だよ。まだ電車あるし」

「…………」









出会って2年くらい経つけど、いつだって菊池はよくわかんない奴で本当に掴めない

何考えてるかわからないし、いきなり変なこと言い出す







…視界がぐらりと傾く

転ぶかも、なんて悠長なこと考えた






「…っぶね、」

「え、」








不意に、階段で転びかけたところを片腕を腰に回されて助けられた

菊池の香水の匂いがいつもより強く香って、変な気持ちになる







「大丈夫？」

「…う、うん、」






なに、これ。
なにこの気持ち。




なんで、ドキドキしてるの？






良かったってふわりと笑う菊池に、

お前危なっかしいからやっぱ送るって言う菊池に、







何故かドキドキが止まらない

意味わかんない。









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