7本の薔薇を君に。 (ページ42)

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side：you

その日の帰りのHRの後

荷物を纏めていると、部活に行くために急いで支度をしている勝利くんが視界に入る

そのまま後ろのドアから教室を出るのかと思いきや、
私の席までやってきた

A「あれ、部活は？」

勝利「行く、けどさ」

A「うん」

勝利「……」

何か言いたそうな顔をしているのに、
途端に黙り込む勝利くん

「先行ってるよ～？」とクラスの陸上部の男子が勝利くんに声を掛ける

A「えっ、何？(笑)」

勇太「あれでしょ、嫉妬…」

勝利「うるさい神宮寺、違うし。

…それもあるけど」

勇太「あるのかよ(笑)」

勝利「ていうか、神宮寺そろそろ帰れよ」

勇太「はいはい、」

「Aちゃん、また明日ね」とひらひらと手を振って教室を出ていった神宮寺くん

気づいたら他の子達もほとんどいなくなっていた

勝利「Aさ、神宮寺と喋りすぎ、」

黙っていたかと思ったら急に喋り出す

A「…はい、」

勝利「反省してる？」

A「……」

勝利「はぁ…あのさ、俺の彼女っていう自覚、」

右手で両ほっぺをムニッと掴まれ、顔を覗き込まれる

勝利「持ってもらいたいんですけど？」

A「…はい、」

私、今顔真っ赤だ、

勝利「無理に喋るなとは言わないけど、普通に視界に入るし、入らなくてもAのこと見るから嫉妬するし…」

あんまり表情には出さないけど、
勝利くんが嫉妬していることを知って少しだけ嬉しくなる

勝利「ねぇ、A？」

A「…ん、？」

私のほっぺを掴んでいた勝利くんの右手が私の左頬に添えられて

唇が重なった

勝利「いっ、一緒に帰ろ、！部活終わるまでここで待ってて」

ファーストキスは、甘酸っぱいイチゴの味がした

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