7本の薔薇を君に。 (ページ31)

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side：Shori

勝利「ねぇ、秀？」

秀「は、はい！何でしょう？」

溜息ばっか吐いていた俺がいきなり話しかけたからか、
声が裏返っている

それに構わず続ける

勝利「最近ずっと気になってる人がいて、」

秀「うん」

勝利「見かけると、話しかけたいのに話しかけられなくてその人のことをついつい目で追っちゃうんだよね」

秀「お前…それ間違いなく恋だわ、」

勝利「そっか、恋か…

…って、はぁっ！！？俺、松島さんと１回も話したことないのに？？」

秀「バッッ…カ！声でけぇよ」

数学の解説をしながらホワイトボードになにやら数式を書いていた講師を含め、クラスの大多数が鋭い視線を一気に向けてくる

「すいません、」と小さく頭を下げると、
また授業が再開された

一応板書を移すけど、この数式が何を表すのか全く理解できない

…俺が、１回も話したことの無い松島さんに恋？

勝利「いやいやいや、無い無い…」

ボソリと呟く

脳内がごちゃごちゃしすぎてて、整理できない

勝利「ていうか、ありえない…」

秀「その松島さん？っていう人に一目惚れ、したんじゃないの？」

「やべぇ、あの子超可愛い…惚れたかも」なんて騒ぐ、クラスの男子の声を耳にしては毎回のように

人は中身の方が大事だろ、

なんて思っていたけれど
所詮、俺も見た目が１番なんだと悟ってしまった

秀「話しかけてみれば？」

勝利「無理」

秀「即答するなよ(笑)」

勝利「だって向こうは俺のこと知らないし…

だいたい、接点無いのに何を話題にすればいいのさ」

秀「そりゃあ、何か探すんだよ話題を」

勝利「それが出来たらここまで悩んでないんだけど」

あれからいろいろとアドバイスをくれようとしていたけど、どれもこれも却下していた俺に対して

最終的に「お前めんどくさいやつだな」って鼻で笑われた

…こんなに悩むなんて思ってもいなかった