7本の薔薇を君に。 (ページ18)

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side：Fuma

勝利「相変わらず自由だな～、Aは。」

走り去って行った彼女の後ろ姿を見つめながら、
俺に聞こえるか聞こえないかの微妙な声量で勝利が呟いた

"自由" なんじゃないよ、

きっとあいつの事だから
まだ勝利と同じ空間にいるっていう心の準備ができてないだけなんだ

昨日から様子がおかしかったし、やっぱり一緒に生徒会やらせるのはまずかったかな…

でもやっぱり、好きな人には幸せになってもらいたいじゃん

そのきっかけ作りに、少しでも携われたら…
なんて思って生徒会に推薦したんだけどな

俺には、お互いを想いやってるはずなのになんでAと勝利が別れたのかが未だにわかんねぇ

勝利に訊こうと思ってるのに、

もしこのまま勝利とAがくっつかなかったら俺がAの隣に居続けることができるのかな

なんて狡い考えが出てきてしまうから訊けずにいる

風磨「なぁ、」

勝利はAを愛おしそうに見つめていた

昨日も、今朝も。

風磨「なんでAと別れた…？

あんなに幸せそうだったのに、なんでAを手放した？」

下唇を噛み締めて俯く勝利

勝利「……」

風磨「ごめん、俺別に無理に訊こうなんて…」

勝利「風磨くん、……ごめん」

若干眉尻を下げて今にも泣きそうな顔をした勝利に言葉を遮られた

こんなに弱そうな勝利は初めて見た

…お前ら、本当に似たもの同士だな

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