7本の薔薇を君に。 (ページ12)

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side：you

あの後、佐藤くんの問いかけに固まってしまった私は
「勝利、女性の恋バナは本人が話すまでは聞いちゃダメだよ。ぶっちゃけ俺も知りたいけど…」
なんて言う中島先生の気遣いのおかげでなんとか答えずに済んだ

佐藤くんは不服そうだったけど。

岸先輩の自己紹介は、安定に面白くて笑いっぱなしだった

そんな流れで「そろそろ終わろっか！じゃあ解散！」って言った中島先生の言葉をきっかけに、隣にいた風磨が真顔で「帰るぞ」と私の手を引っ張る

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風磨との帰り道、なんとも言えない沈黙が続く

風磨「なぁ、…こんなこと訊いていいのかわかんねぇんだけどさ」

それを先に破ったのは風磨だった

いつもと違う雰囲気に少しだけ身構えてしまう

A「…なに」

風磨「………」

A「言って、？」

すると不意に立ち止まって真っ直ぐに私を見つめる風磨

風磨「あいつのこと、まだ忘れられないの？」

あいつ、というのはもちろん佐藤くんのことで。

風磨「どうやったら忘れられる？」

何も返せない私にさらに言葉を続ける

風磨「俺、見てて辛いわ」

A「……」

風磨「Aも、勝利も。」

A「勝利、くんも？」

風磨「うん。」

久しぶりに「勝利」っていう忘れたくても忘れられないあなたの名前を口に出した

必死に忘れ去ろうと努力してるのに、

風磨は今さら何を伝えようと言うのだろう

風磨「ちゃんと今の勝利と向き合って、

ちゃんと話し合ってみろよ

あれから１年経ってるんだから、もう過去のことにできるはずだろ？」

A「…ごめん、」

いろいろ風磨には言いたいことがあるはずなのに、

少なくともあの頃の私を救ってくれたのは風磨なはずなのに、

A「ごめんね、風磨」

これしか言葉が見つからなかった