絶たれた糸 【回想】 ページ9
子供みたいに小指を絡めた2人だけの約束。
｢大切な人同士は糸で繋がってるんだよ。どっちかが迷子になっても、糸を辿ってもう片方の所に帰ってくるために。俺の糸は絵奈と繋がってる。
もし、俺が迷子になったら、この糸をつたって絵奈のとこに戻るよ｣
祐希は笑顔で言った。
その2ヶ月後、祐希はこの世界から姿を消した。
私達兄妹の糸は、呆気なく絶たれた。
私の糸を伝って帰って来る事は無かった。
両親は茫然自失で、隠しきれないショックを抱えていた。
その日から両親は呪術関連の話を一切触れたがらなかった。
そして、それは私も同じだった。
中学生時代、祐希は優等生だった。
皆が祐希を認めていた。
私は憧れの兄に少しでも近づくために、あまりやってこなかった勉強を始めた。
これまでやってこなかった分、学ぶと言うことは苦痛だった。
英語を見る度に参考書を投げ出したくなった。
でも、テストで良い点を取ると、両親はとても喜んだ。
2人の嬉しそうな顔を見る度に自分が、優等生な兄の埋め合わせが出来ているように感じた。
運動は元から得意だったから、授業を真面目に受けるごとにスポーツの楽しさに気がついた。
少しでもクラスに馴染むために、少し嫌な事も我慢してきた。
完璧な子になれば、皆が分かってくれると思っていた。
それでも、普通のクラスメイトに戻れることは無かった。
深く根付いた印象はそう簡単には消えないのだ。
その時、父から1つの提案があった。
｢もう全て忘れて、新しい生活をしないか？｣
そこからは早かった。
すぐに引っ越して、祖父母宅の家がある宮城に行った。
前みたいな失敗をしないように、クラスで平和に過ごせるように毎日を気遣いながら過ごした。
幸い、クラスメイトはなんの疑いも無く歓迎してくれた。
普通に過ごすよりも疲れは多いものの、安心して暮らせた。
高校に入ってからも、ずっとそうだったのに。
なのに。
なのに。
どうして神様は私に微笑んでくれないの？
これ以上何をすれば、私は平和に過ごせるの？
分かんないや。
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オーステン(プロフ) - プスメラウィッチさん» 有難うございます！まだ始まったばっかりでオチとか全然考えてないんですけど、候補に入れておきますね。 (2022年4月27日 7時) (
レス) id: e73df44190 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月27日 7時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - はい^_^ファイトーーー！！ (2022年4月12日 0時) (レス) id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
オーステン(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます！頑張りますね✨ (2022年4月11日 7時) (レス) id: e73df44190 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年4月11日 0時) (レス) @page11 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オーステン | 作成日時：2022年2月13日 22時
