14 ページ14
挨拶しようとしても声も出ず、頭が真っ白になるのが自分でもわかった
目線だけを忙しく動かし、ロッカー内を見回したあと、�譴斑羸遒鮓鮓澆妨�ることしかできない旭を守るように、中川が少し前に立つ
彼が自身の視界を意図して塞ぐように立つのが、旭にもわかった
もしかして、焦っている自分を彼らから隠してくれたのかと旭が考えている間に
「周平さんどこー？連れてきましたよ、旭」
弟はまた、誰かしらの名前を呼んだ
今日の試合で彼の名前を聞いたことのあるような気がすると、彼の名前を反芻していると
「連れてきたん！」
大きくよく通り、語気が強く、馴染みのある関西弁が奥から聞こえてくる
選手数人が道を開けるように動いたあと、旭と似たような背丈の男性がこちらに向かって来た
中川よりもさらに土で汚れたユニフォームを身に纏っている彼に
旭は無知ながら、彼から唯ならぬ野球の上手さを感じた
『初めまして、！』
すぐ目の前に彼がいるというのにも関わらず、声のボリュームを誤りながらもしっかりと挨拶をし、体を九十度曲げるように深く頭を下げた
失礼の無い様にした結果、この空間に慣れている旭以外のラフな彼らからは、旭の挙動はなんともぎこちなく、緊張しているふうに見える
「そんな畏まらんでもええのに」
福田が旭の緊張を解くように言うが、旭には社交辞令としか受け止められない
この方が楽なんです
と旭は言いかけたが、何だか勝手に線引きをしてしまっている様に感じ、失礼な気もし、言葉にはしなかった
『いえいえ、』
と軽い否定だけをし、はにかむような愛想笑いをする
福田が来ることでまた少しこちらに視線が集まったが、彼らの顔は見ずに、旭は彼らの首から下だけをなんとなく視界に入れた
皆、背丈や体格は人それぞれで、旭はプロ野球選手というものに圧倒される
ユニフォームをまだ着ている人もいれば、もうすでに私服であろう服装に着替えている人もいた
「�譴里�兄さんの…旭くんやんね」
『はい、そうです！』
福田や旭のその言葉に、周りの選手たちも�譴侶擦�と納得し、旭から目線を逸らす人間もいた
自分自身に向けられる目線の数が減った旭は、少し緊張が和らぐ
「周平さんが会わせて言うたんですよ」
何か喋らないのかと急かすような言い方をする�譴鯊晶蠅�
「いっちゃん会いたかったんは圭太ちゃうん」
福田はそんな言葉を口にする
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
過眠(プロフ) - のまさん» ありがとうございますとっても嬉しいです（ ; ; ）がんばります✨ (4月6日 15時) (
レス) id: 8ab364d8bc (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - 大阪谷さん» コメントありがとうございます☺️楽しみにしていてください✨ (4月6日 15時) (レス) id: 8ab364d8bc (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 過眠さんの文章が好きです！頑張ってください😊 (3月22日 23時) (レス) @page7 id: 68538f0e3a (このIDを非表示/違反報告)
大阪谷 - 新作ありがとうございます！楽しみです☺️ (3月14日 13時) (レス) @page1 id: 382b1b8271 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：過眠 | 作成日時：2024年1月22日 20時
