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Bs18(LAD18)...male ページ5

山本と旭、彼らは朝起きる時から、寝るまでいつまでも一緒で

数人が和気藹々と会話をしながら食事を楽しむ中
サロンの一角だけは異質な雰囲気だった

山本と旭は隣同士で席に座り、旭はじっと自身の太ももの上で手を丸めていた
山本は左手で頬杖をつきながら、右手で旭の口へ食べ物を運んでいる



「旭、口開けて」



食べ物をスプーンで器用にすくい、山本は旭の口元へ持っていく



『子供やないんやから…』



旭は恥ずかしくて堪らないが、そんな羞恥心を押し殺し、口を開けた

その小さな震える口に山本は食べ物を押し込む
そしてスプーンを引き抜くと、旭は口内のそれを咀嚼した

旭が飲み込むことを確認して、また次の一口を入れる



「美味しい?」



まるで幼児の食事の介助のように
通常の食事の何倍もの時間をかけて山本は、一食分を全て、旭の口の中へ運んだ

親鳥から餌をもらう雛のように口を開け、咀嚼し、飲み込む旭に
山本は言いようのない愛らしさで顔が綻んだ










練習中、周囲に誰もいないグラウンドで、山本と旭はキャッチボールをしている時
山本が旭の返球を待っていると、旭はしきりに自分の目を触り、なかなかボールを投げようとしない

ついにはしゃがみ込んでしまった旭に、どうしたのかと、山本は旭に駆け寄った



『ちょっと、ゴミ入っただけだから』



旭は目にゴミが入ったのか、目を強く瞑ったり、掻いたり、生理的な涙までもが流れ出る

山本はグローブを外し、旭の頬を包み、上を向かせ、自身と目を合わさせた

急な山本の行動に、旭は目を赤くさせながら、彼の顔を見る



しばらく切っていない山本の長い髪はまるで、自身の眼球に刺さってしまいそうな程に距離が近い
心配そうに旭の目を見る山本の動きに沿って
彼の髪は揺れる
彼の揺れる髪が怖く、旭が反射的にぎゅっと目を瞑ると、山本は



「開けて」



と、自身の目を見せろと言う
旭は山本の言う通りに、ゆっくりと目を開けた
すると山本は、うっとりとするようにため息を吐く



「はぁ、可愛い」



かわいい?
なぜ彼はそんなことを言うのだろうか
そう思った時にはもう、目の中に入ったゴミは無くなっていたようで



『もう、大丈夫みたい』



旭は最後に強く涙を拭い、旭は立ち上がる



『さ、続きしよ』



気を取りなおすように、グローブにボールを叩きつけるようにした旭
だが、山本は旭のそばを離れようとはしなかった

続→←続



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設定タグ:プロ野球 , オリックス   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:過眠 | 作成日時:2024年1月10日 21時

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