35.いつも通り ページ35
音も光も、隙間風さえ入らない部屋で
旭は布団を首元までかけ、仰向けで行儀良く眠っていた
腹の上で丁寧に重ねられた左右の手がぴくりと動き
アラームもかけずに、旭は自然に目が覚める
十分に睡眠をとり、数時間固まったままの体を猫のように伸ばした旭は
もう朝かと思いながら、何らいつもと変わりのない簡素な部屋を見渡す
未だ体は起こさずにまた、ぼうっと天井を見つめながら鼻から息を吸うと、肌寒い空気が鼻腔を刺激した
新鮮かはわからない空気を、数回の深呼吸で体内に取り入れる
いつもと変わりのないことが、旭は退屈ではなく安心に感じていた
どうせ今日もやることはないし
と、自身の体温でまだ暖かい布団を胸辺りまで引き上げ、またゆっくりと目を閉じる
仕事をしていた時と違って、時間に追われない生活が毎日心地良く
生活が堕落していると感じながらも、朝早くから行動する事を放棄し、彼らの愛にも甘えていた
部屋の空気の冷たさと布団の温かさが丁度良く、うつらうつらとしていると
彼らが旭を起こしにきたようで、扉の前に気配を感じてすぐに、ドアが開いた
「旭」
これまたいつもと変わらない様子で、ゆったりとした私服に身を包んだ中川が、そこには立っていた
その後ろには宗もいるようで、中川の後ろから顔を覗かせるように、いつもの笑顔を浮かべている
『圭太さん、佑磨さん、』
寝起きで掠れたような、エッヂのかかった声で、旭は彼らの名前を小さく呼ぶと
「まだ寝てるん？お寝坊さんやね」
叱るとは言えない声量で、中川は旭に声をかける
そういう彼の声もまだ寝ぼけているような、そんな声色だった
『…起きてましたよ』
ちゃんと彼らが起こしに来る前には、一応ではあるが、起きていたというのに
お寝坊さん
と、中川に揶揄われ不服な旭は、少し拗ねるように答えた
けれどもそれすらも可愛らしく思える彼に、宗も
「ほんと？眠そうな顔」
と、頬の緩んだ顔で、くすくすと笑った
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過眠(プロフ) - 大阪谷さん» 嬉しいですありがとうございます❣️✨ (1月8日 11時) (
レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
大阪谷 - とても面白かったです！ (1月8日 10時) (レス) @page41 id: 382b1b8271 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - 大坂谷さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます！更新がんばります✨✨ (12月9日 11時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
大坂谷 - 続編作ってくれて嬉しいです！毎回楽しみにしてます！ (12月9日 9時) (レス) @page15 id: 382b1b8271 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - 凛さん» ありがとうございます！励みになりますがんばります😢❣️ (12月7日 21時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過眠 | 作成日時：2023年11月25日 21時
