続 ページ8
「旭、」
やっと喋ってくれた、
そう言おうとした時
旭はそれを皮切りに、立て続けに喋る
『もう、無理かもしれません、』
『何もやる気なくて、死ぬ気もなかったけど、最近沸々と、やる気が起きるんです』
『死ぬ為だけの元気が』
『でも怖いんです、やっぱり。痛いのも苦しいのも嫌で、』
死ぬ
と言う言葉が、山崎の脳を反復した
彼がいるだけで良かったのに
彼がいなければダメなのに
彼がいなくならないためにはどうしたらいいか 山崎は頭をフル回転させる
『福也さん、』
彼が懇願するように山崎の名前を呼んだ瞬間
「俺と逃げようよ」
山崎は言葉をこぼした
その言葉に、旭も山崎を不安そうに見つめる
そんな彼に山崎は
約束、と言うように小指を立てた手を差し出す
旭も半信半疑で自身の小指を絡めた
「言っとくけどこれ、本当だからね」
「俺が嘘ついてるように見える？」
山崎の笑っていない目に見つめられた旭は、首を縦に振るしかなかった
「ね、明日でもいいでしょ」
明日2人で逃げよう
何も考えがないまま、山崎は答える
予定も希望もない旭は、それに了承した
翌日の夕方頃、旭を車で迎えにきた山崎は
助手席に乗り込んだ旭に、あるものを見せた
『カメラ？』
「うん、昔買ったけど、使ってなかったやつ」
2人の思い出をせっかくなら記録しようかと、山崎はカメラが家の中に眠っていることを思い出し、持ってきた
『そんなの持ってたんですね』
『でも、なんで？』
「旭を撮るためだよ」
『僕を？』
彼の表情や行動、声、一つ一つを、この世に残せるように
「うん、俺が残したいの」
『そうですか、』
何故だろう、という表情を浮かべながらも、旭はそれ以上何も聞かなかった
そのままなんの予定もなく海沿いを走り、車を停める
『福也さん見て、めっちゃ綺麗、！』
人間は、自身と山崎2人だけで
他は海や夕陽、綺麗な景色に囲まれ、ストレスから解放されて
旭にも元気な声色が戻っていった
山崎は
風を感じながら、楽しそうに歩く旭をカメラに収める
「11月9日、今は16時14分」
「今日の夜、誰にも見つからないところに、旭と僕は行きます」
誰にも見られることのない、誰も見返すことのない映像を撮る
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過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (
レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
凛 - Bs6＆Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです！応援してます！ (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過眠 | 作成日時：2023年11月3日 11時
