続 ページ47
「もう一回、吸って」
そう促すと、旭は目を閉じ、鼻から息をゆっくりと吸い
「吐いて」
野口が指示をすると、口からまたゆっくりと、細く、息を吐く
それを数回繰り返すと、自然な呼吸を続けても、彼の脈は落ち着いていた
「どう？」
『…落ち着いたみたいです』
そう言って彼は下唇を噛むように巻き込み、微笑んだ
野口はまるで、彼を自身の手の中で転がしているような気持ちになる
慈愛の気持ち半分、下心半分で、彼の首筋から手を滑らせ、彼の左頬を包む
「旭が今日どんな結果残しても、誰もなんも言わんし、俺が言わせへんから」
他者から頭が呆けているというようなイメージを持たれる野口は
自分には少しそぐわない言葉を口にして、彼のほのかに温かい頬を親指の腹で撫でる
そしてそのまま、旭の濃い瞳を見つめると、彼の瞳孔が少し開くのがわかった気がした
そして、彼の薄い唇が開かれ、呼吸が浅くなる
瞬きの増えた目も伏せられ、彼はなぜこんなにも気持ちが身体に出やすいのか
脈だって測らずとも、早くなっているのがわかった
そんな彼の反応に、自身への気持ちを確信しても良いのかと、少しよからぬことを考える
彼の初めての公式試合にあやかって、彼の記憶に自分の行動が少しでも残るよう
自身の右手をまた彼の首に滑らせ、彼の紅潮する唇を撫でた
一生消えない記憶を植え付けるように、彼の成功を願うように
何度も何度も
彼がやめてと笑うまで
彼の小さな唇に優しく触れた。
＿＿＿＿
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過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (
レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
凛 - Bs6＆Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです！応援してます！ (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過眠 | 作成日時：2023年11月3日 11時
