M17...male ページ35
何百回も、何千回も見慣れたドームで
まだ観客席に人が入っていない時間
選手やコーチ、スタッフの声、打撃音などが様々な方向から聞こえる
今夜の試合は自身のホームであれど、先発は旭自身
対千葉ロッテ戦での相手の先発は令和の怪物で
まだ試合時間まで何時間もあるのに
自分に自信がない旭は
勝っても負けても
結局どちらかのチームのファンから野次を飛ばされる
そう考えるだけで胃の内容物が逆流してしまいそうだった
1人になりたい
ふとそう思い、半径10メートル程に誰もいない範囲を確保し、ドームの柔らかい壁に背中を預けた
みんな頑張ってて偉いなぁ
他人事の様に広い空間で忙しなく動く人間を眺める
ドームの中は心地よい気温、湿度であったが
緊張している彼は頭が真っ白で
ストレッチだけは少しでもしなければいけないと考え、何も考えずにただ地面にしゃがみ、手をつき、脚を開いた
もう何分しているかわからない開脚を続けながら
体を前に倒し、頭の中で不安や緊張をぐるぐると巡らせていると
自身の前に大きな影が立ち塞がり、周囲が暗くなる
誰がなんの様か
そう思ったと同時に
「あの、すみません」
少し舌ったらずで控えめな声が頭上から聞こえた
1人になりたかったのに、と考えながらも
『はい、！』
誰にでも遜って接する旭は、声を少し張り上げ、焦る様に上体を起こし、声のした方向を見上げると
そこには今日対戦する予定である先発の彼が立っており、自身を見下ろしていた
堀が深く、奥まった目をしている彼と目が合う
睫毛が長く、節目がちになると目には光が一切入らない
190cmもの身長から見下ろされると、蛇に睨まれたカエルのように、恐ろしく自分の思考が止まるのを感じる
そんな旭の状況など露知らず
「旭くん、だよね？」
目の前の彼は自身の名前を恐る恐る口に出した
彼と面と向かって会話をするのは初めてで
そもそも仲がよければさほど緊張なんてしない
彼の名前を認識してはいたが、殆どは令和の怪物としか聞いていなかった
人間であるのは重々承知だが、万人から怪物と呼ばれる悍ましい人間が、旭の中で確立していた
『そう、です、』
自身が床に座っているせいもあるが、彼の身長に圧倒され、詰まりながら答える
「よかった」
自信がぎこちなく返事をすると
彼は大袈裟に右手を胸に当て、胸を撫で下ろした
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過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (
レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
凛 - Bs6＆Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです！応援してます！ (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過眠 | 作成日時：2023年11月3日 11時
