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彼の部屋から出た後、自室に戻り、山崎は少し考える

山本は、エースという責任を任され続け、期待され続け、気が滅入ったのか?と、

彼の精神を心配する

自身がこの目で見たあのおかしな手紙も、淡々と話す彼の声も表情も、全てが良からぬ方向につながっていく

いてもたってもいられず、頭で考えているうちに彼の部屋の前まで来ており、勢いよく扉を開いた

勢いよく開かれた扉と、先ほどまで話していた山崎がまた自身の部屋に訪れ、山本は少し驚いた顔をする

そんな彼の目の前に行き



「なぁ、お前やっぱおかしいって」


 
彼の目を覚ますように聞いた

山本は山崎の発言を理解できない



「何が、?おかしくないよ」
「じゃあ誰がこんなんするん」



そんなの自分もわからない、もし山本が自分でこんな工作をしていたらと考えていると



「俺のために?誰が?」
「そーいち達じゃないでしょ、お前らはこんな字書かへん」



彼の表情は怒りに変わる
まずい、喧嘩が始まる、と、勢いで彼の部屋に来て理不尽な言葉を投げたことを後悔した



「俺だけが知っとった。俺だけが知ってんねん」
「ええよ、お前らにはわからんでええ、」
「俺だけが、俺だけが、」



怒っていたかと思えば彼の表情は崩れ、今にも泣きそうになる

下を向き、俯く彼の頭に、不器用な自身の手を、慰めるように重ねた



「ごめん、ごめんって」
「泣かせるつもりじゃなかった、」



彼はやはり旭という少女が亡くなったことを受け入れられないようで
もちろん俺たちチームメイトが彼のためにこんな手紙を書いているわけではない
この事実を誰も知らなかったのだから



この世界に怪奇現象やスピリチュアル的なものがあるとは信じていないが
よくよく考えるとこの世界が本当かどうかなんて誰にもわからない

地球を作ったのは誰か
宇宙を作ったのは誰か
そんなことを考えていたら頭がおかしくなりそうで

この世の人間なんて頭がおかしいくらいじゃないと生きていけないかもしれない



「俺、お前に嘘つきたくない」



山崎は決心したように答える



「どういうこと」

「おかしいなりに生きたらいいって」

「おかしくないって」

「おかしいよ、おかしいけど、それでいいやんって、」



あくまで山崎は、山本の頭のおかしさは否定しなかった

続→←続



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設定タグ:プロ野球 , オリックス   
作品ジャンル:恋愛
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過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
- Bs6&Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです!応援してます! (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:過眠 | 作成日時:2023年11月3日 11時

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