続 ページ15
「ごめんなぁ、」
中川がぱっと手を離した隙に、旭は廊下を走る
彼はすぐには走ってこない様で
「鬼ごっこでもするん？」
彼の家の廊下をひたひたと歩き出す
その間に旭は、自身が履いてきた靴を急いで履き、外に出る
冬の夜はとてつもなく寒くて、先ほどの暖房のついた部屋とは比べ物にならない
今から逃げ回らなければいけないだろうに、
と考えながら、土地勘のない彼は夜の街を走り回る
交番の場所もわからず、寒い中朝になるまで待とうかと、走っている際に見つけた公園へ足を踏み入れた
公園は遊具もあり、隠れ場所もある
大人が屈めば入れるトンネルの様な遊具に体を丸め、入り込んだ
背中から伝わる金属がとてつもなく冷たい
荒く呼吸をすると鼻からも冬の冷たい空気が入ってくる
何分経っただろうか
呼吸も落ち着いた後、誰かが公園へ足を踏み入れる音がした
助けを呼ぼうかと覗くと
「旭ぃ、どこいったん？」
今一番会いたくない中川がそこに居た
しっかりと服を着込んだ彼がゆっくりと歩くたびに、砂が擦れる音が聞こえる
「旭くーん、」
彼の低い声が、まるで近くにいる様に聞こえる
息を殺し、早く出て行ってくれ、と思いながらぎゅっと目を呟った
暫くして、物音は何も聞こえなくなり、彼が出て行ったのかと、旭は
『はあぁ…、』
と、一息ついた
これからここで一晩明かしてしまおうか、と考えていると
「みーつけたぁ、」
彼の低い声が耳元で聞こえ、勢いよく横を見ると、中川がこちらを覗いていた
首を傾け、目に髪がかかっている
その隙間から見える、彼の奥まった光の無い目に捕らえられ、本能的に
殺される
と感じた
「こっちおいで」
旭の華奢な手は中川に掴まれ、遊具から引きずり出される
「家帰る？」
優しい声色であるが自身の手首を掴む力は1ミリも緩めない
このままでは彼の家に引き戻されてしまう
旭は咄嗟に地面の砂を震える手で掴み、
中川の顔目掛けて、勢いよく投げた
「うわっ、！」
中川は両目を抑え、旭の手を離す
その隙に旭はその場から逃げ出し、またもわからない道、わからない街を走り回った
海の近く
防波堤のある広い場所に着くと、ベンチに人が座っているのが見える
『すみません！あの、！』
旭は大きな足音を鳴らし、駆け寄った
旭の大きな足音と声に気付き、相手は勢い良くこちらに振り向く
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過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (
レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
凛 - Bs6＆Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです！応援してます！ (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過眠 | 作成日時：2023年11月3日 11時
