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ページ12

『ゆうやさん、』



いつもは"小田さん"としか呼ばない旭は
小田が返事をするまで彼の名前を呼ぶ



「どうした、」

『しんどい、嫌やぁ、』



ぽろぽろと泣きながら苦痛を訴える旭を見て、今にも死んでしまいそうで、



「しんどいな、辛いな、」



旭の体温を自身に分けて欲しいと思いながら、少しでも熱が下がるように、
不安で冷える自身の手を旭の汗ばむ額に当て、前髪をかきあげる

体温計は軽快な音を立て、小田は体温計を取り出した

38.4
 
高熱の域まで体温は上がっており、小田は急いで換えの冷却シートと水を取りに行き、
戻ってくると、旭のさらに汗ばんだ額に貼り付けた

冷たさで、眉間に皺を寄せる余裕もなく、
旭は浅く呼吸をする



解熱剤の効果もとっくに切れただろう

旭をゆっくりと起き上がらせ、再び解熱剤を飲ませた

その後、旭の目から幾度となく流れ出る涙を小田は拭いながら、
浅く呼吸をし、目を閉じる旭を見守る

数十分ほど時間が経つと、旭の呼吸も落ち着き、また眠りに落ちたようだった

次起きる頃には熱が下がっているだろう

小田は旭のために簡単な食事を用意する










食事を作り終わり、持って行く時には彼は目を覚まし、上体を起こしていた



『小田さん、』



薄く開かれた目で、見えにくそうに小田を見つめる旭
自身の呼び方が再び苗字に戻っていることに少し寂しさを感じながらも



「ご飯作ったから」



朝日の目の前に食事を用意する



「食べさせてあげようか」



少し悪戯を込めていうと



『うーん、』



旭は数秒悩んだ後



『お願いしていいですか、』



照れた様にはにかんで返事をした

まさか旭から甘えてくるとは
と思いながらも



「もちろん」



旭に食事を食べさせる

薄く開かれた唇に
半ば押し込むように入れると

旭はそれを数回咀嚼して、飲み込んだ



『美味しい、』

「ならよかった」

続→←続



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設定タグ:プロ野球 , オリックス   
作品ジャンル:恋愛
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過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
- Bs6&Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです!応援してます! (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:過眠 | 作成日時:2023年11月3日 11時

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