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中を覗くと10本ほどしか入っておらず
今まで何十本、何百本と彼は吸ってきただろうに

タバコが一箱に20本入っているのは知っている

彼はもう10本も吸ったのかと、少し恐ろしくなった


だがそれならば今から吸うも吸わないも同じだろうと

杉本の様子を伺う様に、旭は好奇心で箱の中身を全て出す



何してんの



と言うこともなく、杉本は煙草を吸ったことがないであろう旭の少し奇妙な行動を、黙って見ていた

だが手持ち無沙汰であったので、



「出すんやったら一本ちょーだい」



目の前の外箱に集中する旭に煙草を要求する

旭も怒られないとわかったのか、素直に一つ差し出した

杉本がまた煙草に火をつけ、吸い始めると

旭は煙草の入った箱を取り、器用に包装を剥がす



子供がおもちゃを見つけて
それを自身のしたい様にぐちゃぐちゃにするなり
解体するなりする様に



細い指先で引っ掻いて、ぺりぺりと小さな音を立てて剥がし、箱を破ってしまわない様、慎重に

展開図の様に外箱を広げた

煙草を吸ったことがない彼は



『へぇ、こんなんになってるんだ』



と、純粋な感情を出した

外箱から煙草の包まれた銀紙を取り出し、それも器用に開く
開かれた銀紙の上に、9本の煙草を乱雑に積んだ



杉本はそれを一本煙草を吸い終わるまでぼーっと眺める

2本目を吸い終わり、灰皿に押し付ける

暇になった右手で、杉本は頬杖をついた

旭は



『できたぁ…』



息をつくように、達成感のこもる声を上げたあと
旭は、杉本の頬杖をしている右手を


貸して


と言う様に軽く触る
それに杉本も素直に応じ、頬杖をやめ、右手を差し出した

旭は杉本の指を自身の細い指で握り、
彼のガタイとはギャップがある、細くて節ばんでいない指先

解体した銀紙に乗った煙草を一本つまみ取り、先ほどの記憶を頼りにして不器用に彼の指を開き、煙草を差し込んだ

煙草という概念をあまり知らない旭は
フィルターではない方を杉本の口に向け、煙草を差し込む

それに気付いた杉本は


なんも知らんな


と、心の中で嘲笑った

続→←Bs99...male



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設定タグ:プロ野球 , オリックス   
作品ジャンル:恋愛
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過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
- Bs6&Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです!応援してます! (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:過眠 | 作成日時:2023年11月3日 11時

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