Bs99...male ページ1
喫煙
ガヤガヤとした他人の酔っ払う声と、グラスが机に当たる音が耳につく
杉本と旭はプライベートで、二人きりで飲みにきていた
さほど度数の強くない酒を数杯のみ、出来上がった旭は、一回りいかないくらいに年の離れた杉本と、仲間の話で盛り上がる
だが話も落ち着いたあと、アルコールで饒舌になった後の代償で、旭は一言も喋らなくなった
周りの音は遮断され、まどろむ様に目尻が下がる
杉本も煙草が吸う暇ができたと思い
「ごめん、吸うで」
一言断りを入れ、旭の返事も待たず、鞄から煙草を取り出した
ワンテンポ遅れて旭も
『どうぞ〜』
と、気の抜けた返事で答える
「どうも、」
そう言いながら器用に煙草を咥えた杉本は、その先に火をつけた
それと同時に口から吐き出される煙を、旭は正面から
吸い込みたくなくてもそれを感じ、
煙草の匂いだ
そう口に出すのが面倒で、ごく当たり前の感想を頭に思い浮かべた
このままでは眠りこけてしまうと、旭は深呼吸をし、杉本に問う
先輩に説教をする立場ではないかもしれないが、
『野球選手として、タバコって、どうなんですか』
彼は
「どうやろなぁ、」
そう言い、淡い煙を吐いたあと
「打ててたらええんちゃう」
当たり前のことを答える
『ま、杉本さん打ててますもんねぇ、』
感情のこもっていない声色で、旭も答えた
彼に煙草を止めろと言える立場でもないし、言うつもりもなかった
旭は杉本が煙草を吸う姿が好きだった
だが煙草は悪だと学校で教えられてきたので
生真面目な旭は、主流煙よりも害のある副流煙が嫌いで
だが、恋であれど憧れであれど
吸っている本人の体も少しは心配した
肺癌はずっと水に溺れている様な苦しさだという
保健体育の教科書での知識しか無く、
感受性が豊かな旭は考えるだけで胸が苦しくなった
まぁ人が死ぬのなんていつかわからないし
癌になるかもわからない
そんな未来のことなんて考えるのは仕方がないと、旭は机の上の煙草の箱に目を移した
煙草の味など知らず
副流煙しか吸い込んだことのない旭は
煙草の匂いなんてどれも同じだと
全てを一つで枠組んでいた
杉本が煙草を一本吸い終わり、灰皿に押し潰したのを合図にか、旭は杉本の煙草の箱を黙って手に取った
新品ではないので、ただでさえ軽い箱が、思ったよりも数倍軽かった
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過眠(プロフ) - 凛さん» ぎゃ❗️ありがとうございます❗️長編にしようと思っているのでよければ楽しみにしていてください❣️ (11月27日 22時) (
レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
凛 - Bs6＆Bs67のお話狂おしい程好きです! (11月26日 13時) (レス) id: c2c2ad41a8 (このIDを非表示/違反報告)
過眠(プロフ) - りりりさん» コメントありがとうございます😭❣️もしかしたらいつか書くかもしれません、🤭応援ありがとうございます励みになります😢❣️ (11月22日 9時) (レス) id: 4e02012d1f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 6さんと67さんのお話だけでもう作品作っていただきたいくらい好きです！応援してます！ (11月21日 19時) (レス) @page14 id: 724b4ec6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：過眠 | 作成日時：2023年11月3日 11時
