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demon9 ページ9

──この1年、本当にあっという間だった。





悪魔の身体と云うのは中々凄いもので、1年でとんでもない成長を遂げた。

髪の毛が肩あたりだったものが腰迄伸びていた。下ろしていると軽くウェーブがかかって妖艶だとコウヨウに褒められたので取り敢えず伸ばすことにした。

異常なのは此処からで、まず身長が110cmだったものが40cmも伸びて150cmになっていた。この1年沢山の人間を見てきたけどここ迄目覚し過ぎる成長を遂げている人は見たことが無い。
更に顔付きは幼くてあどけないものが、コウヨウ曰く、妖艶で儚さを持った美人…まだまだ云い足りない、要するに筆舌に尽くし難い顔になったと云う。
忙しくて気にする暇も無かったけどこうして見ると矢っ張り私は悪魔なんだと思う。




勿論、毎日の勉強と訓練と実戦で技術面も相当上達した。
体術は筋力を付けることから始めた。戦い方なんて二の次で、毎日4時間、チュウヤの決めた筋トレメニューをこなしてこなして…チュウヤまでじゃないけどポートマフィアの体術使いとしては上位に食い込んでいる。
勉強は中々楽しい。此の世界について学ぶ事から始まり、本を沢山読んで、今はダザイと任務の作戦をあーだこーだ話すようになった。ダザイは計画にチュウヤを殺 す事も入れてくるので私はそれを毎度却下している。
ダザイが云うと冗談に聞こえなかったりするけどダザイと話すのは苦じゃない。寧ろ楽しい。




やってきたことは全部楽しかったけど今1番楽しいのは…





『オダサク!!』

「嗚呼、Aか。調子はどうだ?」

『バッチリよ、早く訓練はじめましょ!』





…そう、銃の訓練。これが中々に楽しい。
オダサクが暇な時によく見てくれる。オダサクは人を撃たない。殺さない。それって凄く難しい。私たちなんかは特に人を殺 すのに最適な環境にいる。人を殺せざるを得ない場面だってある筈。
でも、オダサクはある時から人を殺さなくなったとか。



そうやって隣の彼の事を考え乍ら今日も訓練が終わった。



「A、また上達したな。流石悪魔だ。」

『それ、褒めてるわよね?此の世界で悪魔は人を貶す時に使われる事が多いみたいだから心配になっちゃうわ。』

「そうか。済まなかった。」

『もう、冗談よ。…これから何処か行くの?』



彼にしては珍しく少し急いで片付けをしているように見えた。用事があるのかしら。



「バーに行こうと思ってな。」

『バー?へぇ、お酒を呑む所よね?私も行ってみたいわ!』

与謝野先生生誕祭→←demon8


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作者名:愛麗愛 | 作成日時:2019年11月13日 23時

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