青い月_僕の願いをその光に変えて...

46 . 動揺 ページ46

薮side





……は？


階段から、落ちた？


…頭の整理が追いつかない。


慧「誰にかけたらいいか分からなくて、救急車とかも…俺…ごめっ…「それはいいから！！」」


っ…！、、俺が感情的になってどうする


落ち着け、まずは"だいちゃん"のことだ。



薮「まだ意識はあるか？」

慧「無い…でも、」

薮「でも？はっきり言って、」

慧「汗が…凄くて。それに顔色が悪い。」


これは…想像以上だ。


薮「慧、すぐに救急車呼べ。それと、できるだけ頭を動かさないようにして、声をかけ続けて。」


慧「分かっ………え？」



一瞬、ほんの数秒だったけれど、俺たちの間に沈黙が流れた。


薮「どうした？」


慧「大ちゃん？大ちゃん！大ちゃん！」


電話越しに聴こえてくる慧の声から感じられるのは、不安や焦り。それと、動揺？


きっと"だいちゃん"に何かあったんだ…




でも大丈夫。


落ち着いてゆっくり。


何度だってこの手で患者を救ってきたじゃないか。


何度だって慧のこと、助けてきたじゃないか。




まったく…
何のために精神科に転科したんだ……


救える命を助けたかったからじゃないのか？






でも現実は、そう甘くない。

さっきまで慧の声が聴こえていたはずの電話の向こうには、絶望を意味する一定の機械音が流れていた。

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