青い月_僕の願いをその光に変えて...

44 . 一か八か ページ44

慧side





慧「大ちゃん…ッ…！？」


目の前に横たわる大ちゃんは既に意識がなく

顔色は最悪で。


それになんか…血？だよね

右目には擦れたような跡が残っていたから、
すかさず右手を確認した。


この出血量ともなると、やっぱり…


俺の推測が正しければ、大ちゃんは階段を降りる途中で貧血を起こしたのかもしれない。



涼介に聞きたいところだけれど

声をかけてみても一向に反応が無い。




あれだけの音がしたってことは…かなり高いところから落ちたってことか、


そして近くに来るまで気づかなかったけれど、床には無数の破片が広がっていて。


中には取っ手みたいなものがあって…恐らくマグカップか何かだったものだろう。


涼介はというと…心がすっぽり抜け落ちちゃったみたいに表情がなくて。



俺がしっかりしないと



とは言え、冷静に考えてみると俺に医療の知識なんてものはなく...


現在時刻18時30分。
一か八か、



prrrr…prrrr…


広い空間に、聞き慣れた高い音だけが響いている。


連絡先、交換しといて本当に良かった。




6コールくらいしてもうダメかと思ったちょうどその時

「どうした、？」


俺の大好きな声が聞こえてきた。

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