青い月_僕の願いをその光に変えて...

29 . 楽しみ ページ29

涼介side




昨日の今日だけど、なんだかんだ言って初めての水族館。

そりゃあもうすごく楽しみで。

昨日は色々想像が膨らんでなかなか寝付けなかった。

そのせいかまだ少し眠いし、体が重いような……
だけど、


大丈夫。きっと気のせい。


そう自分に言い聞かせて、慧にいが朝食の支度をしているリビングまで足を進める。


慧「おはよう涼介。あまり寝られなかった？」

こういう事には、やたらと鋭い慧にい。

涼介「ちょっと眠いだけ。大丈夫だから」

慧「本当に？ならいいんだけど…っあ！」


急に大声を出すもんだから、持っていたお皿を落としそうになった。

慧「別に、どーしてもお魚たちを見たいって訳じゃないんだけど…涼介の写真、撮ってみたいなぁなんて…その、ついて行ってもよろしいでしょうか？」

そんなに目を輝かせて言わなくても...

なんて思いながらも、もちろん僕は了承する。

涼介「僕は構わないよ！大ちゃんも多分OKしてくれると思う」

やったぁ〜って子供みたいに喜んでいる慧にいを横目に、さっそく大ちゃんに連絡をする。


涼介水族館、慧にいも行きたいって。いいかな?

大貴全然いいよ!むしろ人数いる方が楽しいだろうし

涼介ありがとう!慧にいに伝えるね。


こんな直前になってのお願いでも直ぐに応えてくれる大ちゃんには、本当に頭が上がらない。

涼介「慧にい？僕今から病院だから、終わったら連絡するね。」

慧「俺も一緒に行っていい？久しぶりに薮にも会いたいし。」

涼介「いいけど、退屈だと思うよ？」

慧「大丈夫！有岡くんと一緒に待ってるから」

どうして大ちゃんも来るって分かったんだろ…
勘が鋭い。


そんなこんなで朝食を済ませ、身支度をして二人で家を出た。



この時にはすっかり忘れていた。
自分の体調のことなんて.....

30 . 練習→←28 . 約束

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す