青い月_僕の願いをその光に変えて...part2 (ページ3)

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52 . 温かい部屋ページ3

慧side

…。

あれから、何となく気まずい雰囲気になって。

18歳、話題に困っております。

こういう時、嫌でも自分のコミュ力の無さを痛感してしまう。

ふと目に入ったのは、俺が今手にしている猫の柄のシャーペン

保健室だからってのもあるかもしれないけど、この部屋にはやたらぬいぐるみや可愛いブランケットなんかがあって。

"光先生、ネコ、好きなんですか？"

すると先生は困ったような顔をして。

光「あぁ、そのシャーペン？貰い物だよ。」

"彼女さんですか？"

光「そんなんじゃないよ。ただの…

……いや、大切な親友(ライバル)からのメッセージ、かな？」

光「そいつとは幼馴染で。俺、今の伊野尾くんみたいに進路を決めるってなった時、ちょいと荒れた時期があってね？」

こんなに穏やかな光先生からは想像できない…。

光「やりたい事、なりたいものなんて何も無かった俺だったけど、

『医者になりたい』っていうあいつの夢を隣で見ているうちに…

俺も医学の道を目指すようになっていたんだ。」

久しぶりに聞いた、温かい声

今、先生は他でもない俺に向かって話している。

当たり前のことかもしれないけど、
なんか…生きてるっていう感じがする。

こんなに優しい気持ちになったのは、多分

一人暮らしをするようになって初めてだと思う。

俺は心のどこかで、この温もりを求めていたのかもしれないな...。