今日:5 hit、昨日:29 hit、合計:29,587 hit
小|中|大
61 . 戻ったはずの日常 ページ12
大貴side
あの一件から月日は流れ、楽しみにしていた夏休みも、いつの間にか終わりを迎えてしまっていた。
俺たちふたりの身体は順調に回復し、今では以前と変わらない生活を送れるまでに
……………なっているはずだった。
俺の左目は、日を追う事にゆっくりと、でも確実に視力を奪われつつある。
こうなることは昔から言われてきたことだし、覚悟はしていたつもりだった。
それでも…
「山田の顔が見えなくなるのはやだな、」
.
とことん弱気になっている自分に驚いた。
いや、これがホントの俺なのかも。
独りが怖くて、明るく振舞って"良い奴"を演じる。
そのおかげで俺は人気者になれたし、友達だって沢山いる。
でも…
本当の俺を知ってるやつなんて、たったの一人もいないんだよな。
あの日以来、山田は一度も俺に声を聞かせてくれたことは無い。
いつか山田が俺の世界から消えてしまったらどうしよう
最近はそればっかり考えるようになっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
298人がお気に入り
298人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔 | 作成日時:2020年2月1日 23時