この春、恋をはじめます。【Fischer's】

先輩31 ページ32

とうとうやってきた運動会当日、先輩は朝から忙しそうだった。

というのも、先輩は先生からも期待されているほどの腕を持っているからほぼ全ての撮影を任されている、
私も手伝いはしているけれど、やっぱり足元にも及ばない…、

それに、なんか先輩不機嫌そうな日が多い気がする、
もちろん心当たりなんてないし、私が話しかければいつもの調子に戻るんだけど…、



「「次のプログラムは、騎馬戦です」」


悶々としている中、グラウンドに響く放送が告げた運動会の見せ場でもある競技、
忙しい先輩も騎馬戦だけは参加するらしく、先輩以外の唯一の写真部員の私がカメラマンを任された



定位置に着いて、カメラを構える、

すると選手たちが入場してき…、



A「…せ、先輩めっちゃいい体してる…、」


鼻血が出そうになるのを必死に堪え、それぞれ選手たちを平等に写真に収める、
…あ、今すんごい格好良いところ撮れた、あとで一枚貰おう…、




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(マサイside)


「なあ、あれってお姫ちゃんじゃない？」
「わ、マジだ。すんげえ撮ってる、格好良いとこ見せなきゃじゃん、」
「もしかしたら惚れてくれるかもしんねーしな！」
マ「…、」


チームメイト、敵側のチームたちもAちゃんの存在にはすぐ気付いたらしい、
みんな練習のときと比べもんになんねぇくらい気合が入ってる、

もちろん、全員Aちゃんに良いところを見せるためだから下心しかない、


マ「…カメラ係任せなきゃよかった、」


別に全ての競技を撮る必要なんかないし、部員だからと任せてはAちゃんも大変だろうし、

…何より、クラスの連中がAちゃんを意識しているのが気に食わない、



「あれ、マサイまたすんげえ顔してる、」
マ「…ビタミン不足、」
「いやカルシウムだろそこは」

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