この春、恋をはじめます。【Fischer's】

先輩22 ページ23

その時、なぜか前クラスメートから聞いたマサイ先輩の噂を思い出した、


『たくさんの女と付き合ってるらしい、』


もちろん信じてなんかいない、
けどあんなに格好良い先輩を周りが放っておくわけもない、

きっと先輩の電話に付き合ってくれる人なんてたくさんいるのに、


A「…、あの、もしよかったら、一緒に夜更かししませんかっ！」


譲りたくなかった、
私だって、先輩のことが好きだから。



私の提案に、先輩は少し間を空けて「俺も、同じこと言おうとした」と優しく囁かれる、

先輩はああ見えて寂しがり屋、
そんな先輩が、今だけでも私を選んでくれた、


それが、とても嬉しかった、


A「えへへ、先輩と電話は初めてですね！毎日会ってるのに、緊張しちゃいます！！」

ついさっきまで泣いてたことを悟られないように、必死に取り繕った、
幸い(？)なことに先輩は鈍感だから気付かない、


明日も休みだからと、私たちは色んな話をした、
先輩が眠ってしまうまで、ずっと私たちは一緒にいた。




ねえ、先輩、期待しちゃいます、

…先輩も私を好きならいいのにって、

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