先輩19 ページ20
A「あの、…寄り道ってどこにいくんですか?」
マサイ「付いてくればわかる」
これでもう5回目のやり取り。
何度聞いても先輩の答えは同じだった、
もう学校からかなり離れたというのに、どこに行く気なんだろう。
初夏を迎えようとしている今の季節、17時を過ぎてもまだ太陽は顔を出していた、
空一面に広がる茜色の空が私は好き。夏の終わりくらいのどこか寂しく感じる瞬間とか、
マサイ「ほら、ここだよ、」
マサイ先輩が立ち止まった先にあったのは、…先輩からすればそうでもないのかもしれないけど、私にとっては果てしなく高い頑丈な金網のフェンスだ、
マサイ先輩は手馴れた様子で鞄を置くと、カメラだけを持って片手ですぐに登り出す、
半分くらい来たところでこっちを振り向いた、
A「…もしかして、ついてこいってことですか」
マサイ「その通り、ほら、」
おいでおいでと目が訴えている、
先輩の誘いだからもちろん嬉しいけど、私の高校は女子のスカートがそれなりに短め、つまり見えてしまうのである。
しかし、好奇心を抑えられない私は鞄を置いて、両手でしっかり金網を掴んで登ってみる、
幸いなことに金網の網目が広いから足を掛けやすくて助かる、
マサイ先輩は先に登りきり、金網のすぐ近くの建物へ軽い身なりで飛び移る、
そして私に手を差し伸べるように伸ばして、「おいで、」なんて低いが聞き心地のいい声で言われてしまった、
A「よい…っしょあっ、?!」
先輩の手を借りて一気に登り上がると、少しバランスを崩して先輩の胸元へ飛び込む形になった、
驚きやら恥ずかしさやらで頭が真っ白になる私とは裏腹に、先輩は私を支えるようにしたまま白い歯を覗かせて笑いながら空へ指さした、
マサイ「ここ、俺のお気に入りの場所、」
その先には、夕日が赤く染まり 青と黒がそれぞれ混ざり合う綺麗な景色が広がっていた 、
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優桜(プロフ) - ごはんさん» わああっ、ありがとうございます!!!なかなか進展のない二人ですけど、暖かい目で見守っていてくださいませ…♪ (2018年1月19日 22時) (レス) id: bb3fdc8ac1 (このIDを非表示/違反報告)
ごはん(プロフ) - 初めまして!この春、恋をはじめます。読ませて頂いています!夢主ちゃんと先輩との恋…これからの展開がとても楽しみです!これからも更新頑張ってください!!応援しています! (2018年1月19日 22時) (レス) id: a557a7fbae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優桜 | 作成日時:2018年1月2日 21時