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「相変わらず綺麗やな」
『さかたんの家が汚いだけだよ、うちは普通』
そんな軽口を叩きながらココアを2人分作る。彼は少し甘め。はい、と彼の目の前に差し出すとありがとう、と言ってふにゃりとした笑みを浮かべられる。思わず視線を逸らしてしまった。
「それで、なんかあったん？」
ココアを飲んで一息ついた頃、彼がそう切り出した。別に、何かあったとかでは無い。強いて言えば塵も積もれば山となる、ってやつだ。
『いや、別に何も……さかたんに会いたかっただけ』
「いつも甘えないAが随分と嬉しいこと言ってくれるなぁ。でも、嘘つく時のくせ、出てるで？」
そう言われ、手を掴まれた。
「Aが嘘つく時、いつも指に髪を絡ませるんよ。知らんかったやろ」
そう言われ、唖然としてしまった。確かに、私は今髪をくるくると指に巻き付けていた。何か手を動かしてないと落ち着かないから、なのかな。口を閉じたままの私を見て彼はA、と私の名前を口にした。
「無理に言ってとは言わんよ。全部を知ることだけが全てじゃないって分かってる。だから、限界になる前に頼ってや。俺、頼りないかもしれんけどさ……一応、君の彼氏……な訳ですから……」
ね？と言う彼に笑みが零れた。本当に良い彼氏を持ったなぁ、と感心していたら急に彼に抱きつかれた。
「無理に言わなくてもええんやけど無理するのは禁止！Aってすぐ周り見えなくなっちゃうんやから。俺はここにいるよ。だから、辛くなったら頼ってくれればいいやから、な？」
『……うん、ありがとう』
嗚呼、好きだ。何度もその言葉を頭の中で繰り返した。直接伝えたりなんて出来ないけれどきっと今は言わなくていいんだと思う。
『さかたん、聞いてくれる……？』
私がそう問いかけると彼は勿論！と胸を張って答えた。
「嗚呼でも、相談事とかされたことないから上手くアドバイス出来んかも……」
さっきは自信満々だったのに急にそんな弱気になる彼。そんなこと、言わなければ分からないのに。本当に、素直な人だ。そんな彼がたまらなく大好きだ。この話が終わる頃には、きっと彼のようにポジティブになれてるはずだと願って言葉を紡ぎ始めた───────
Fin
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潮田 陽菜(プロフ) - はっかさん» コメントありがとうございます!!完結しましたが次回作も何卒宜しく御願い致します！ (2020年3月6日 16時) (
レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - 新作待ってました！！！うーーーん続きが楽しみ！！！！！！です！！！！！無理しない程度に更新頑張ってください！！ (2020年3月4日 21時) (レス) id: 68335dd1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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