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───────それから、どのくらい経っただろうか。いつの間にか眠ってしまっていたようで微かに聞こえるインターホンの音で目が覚めた。
『はーい』
寝ぼけた頭で必死に零した言葉は掠れてしまった。そして、目を擦りながらドアを開けると視界が真っ暗に染まった。でも、知ってる。この温もり。
『……さかたん?』
私の問いかけに彼はうん、と頷く。久しぶりに聞く暖かい彼の声になんだか泣きそうになった。それを抑えるように彼の背中に手を回して力いっぱい抱きしめた。
「確認もせずに開けるの危ないっていっつも言ってるやんか」
『うん、ごめん』
少し息が上がっているような声色にそう返したあと、沈黙が私たちの間に流れる。そして、彼はゆっくりと私から離れた。
『どうして、来たの……?』
「Aが会いたいって言ったんやんか」
拗ねたような表情の彼の言葉に胸が跳ねた。見られてた……?
『あれ、消したのに……』
「もうっ、通知は来るって知らんの?」
『……知らなかった』
「ホントにAって変なところであほやなぁ。……まぁ、そういうとこが可愛いんやけど」
可愛くない!と言いながら再び抱きついてこようとしたさかたんを突っぱねた。
「俺が言うのもなんやけど、とりあえず中入ろうや。寒い……」
Aが抱きついたまま話してくれるなら別に俺は玄関先でもいいんやけどな!と鼻先を赤くしたさかたんは笑った。馬鹿なこと言わないでよ、と呆れつつも家の中に入れた。
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潮田 陽菜(プロフ) - はっかさん» コメントありがとうございます!!完結しましたが次回作も何卒宜しく御願い致します! (2020年3月6日 16時) (レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - 新作待ってました!!!うーーーん続きが楽しみ!!!!!!です!!!!!無理しない程度に更新頑張ってください!! (2020年3月4日 21時) (レス) id: 68335dd1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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