ウラタニアン【urt】

＊ ページ4

Aside




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｢お邪魔します｣




そう言いながら私に続けて入ってくる先輩を見届けてからただいま、と告げる。



｢わんわんわん！｣



そんな声が聞こえ、少し寝癖の付いたうらたが走ってくる。そして、私に飛びつく。



『あ、センラ先輩は先リビングに言ってて貰えますか？1番奥の部屋なので。私はお茶用意してきます』



｢いいよ、気にしないで。それにこんな時間に女の子の部屋なんて上がれんよ。玄関でいいから｣


じゃあ、お言葉に甘えて、と言いながら飛びついてきたうらたを床に下ろした。



『うらた、センラ先輩だよ』


私がそういった途端うらたが先輩に向かって唸り出した。


『え、ちょっとダメでしょうらた！』



そう静止しようと声をかけると先輩は大丈夫と繰り返した。



｢初めての人間にびっくりしたんやろ、ごめんな｣



そう言って彼が頭を撫でるとうらたはぶんぶんと頭を振って嫌がった。



｢……あれ、｣


『どうかしました？』



不思議そうな声を零した彼にそう訪ねるとなんでもない、といつもの爽やかな笑みが返ってきた。



｢こんな時間やしもう帰るわ。お邪魔しました。今日は可愛いわんちゃん見せてくれてありがとうな───……あー、あと。犬って飼い主に牙を剥くこともあると思うんよな｣



ま、一応忠告ってことで。それじゃあまた明日、と不思議な言葉を残して出ていった先輩。




『……どういうこと？』



まぁ、いっか。


『うらた、ご飯食べよー』

｢わん!!｣

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