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まふまふside
移動中に何度もどこに行くんですか、と聞かれたのを内緒と言って誤魔化して電車に揺られること数十分。遊園地へとやってきた。
『遊園地……』
呆然としながら呟く彼女を横目に早足でチケット売り場へと足を急がせる。手早くチケット2枚を買い、彼女の元へと急いだ。
「これ、使ってください」
ぼーっとしていた彼女にそう伝え、チケットを手に握らせると彼女は驚いたように目を瞬かせた。
『え、そんな。お金……』
そう言いながら鞄を漁るAさんにニコリと笑いかける。
「昨日のお礼です、貰ってください」
そう声をかけると彼女は一瞬悩んだように眉をひそめたけれど直ぐにその表情は笑みに変わった。そして、2人同時に夢の国へと足を踏み出す。すると、陽気な音楽が流れてきて年甲斐もなくワクワクしてしまう。それは隣の彼女も同じみたいで期待に満ちたようなあどけない表情を浮かべていた。それに思わず笑みが零れてしまう。
「何乗ります?」
笑みがニヤけに変わらないようにそう声をかけると彼女は少し恥ずかしそうに目を逸らしてからジェットコースターを指さした。苦手なわけじゃないけれど、初っ端からあれは多少なりとも戸惑う。
「最初から、ジェットコースターですか……?」
思わずそう声をかけてしまうと彼女はキョトンとして何か変ですか?と言ってみせた。確かに変ではないけど変わってるのではないか、と思いつつもその言葉を飲み込んでそうですねと相槌を打った。────ジェットコースターに数回、それから他のアトラクションなどを乗り、すっかり辺りが暗くなってきた。もうそろそろいい頃かなと思い、隣りでチュロスを頬張っている彼女に目を向け、口を開いた。
「……あの、Aさん。最後はあれ乗りませんか?」
観覧車を指さすと彼女はそれを見つめ、暫く黙ってからチュロスの食べていた紙をくしゃりと丸めた。
『いいですよ、行きましょう』
丁度近くにあったダストボックスにその紙を放り入れたあと。歩き出した彼女。逸る心臓を抑えながら同じように歩き出した。
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潮田 陽菜(プロフ) - まぬんさん» 本編の方も読んで頂きありがとうございますm(*_ _)mまさかと思って頂けて幸いです!!そらるさんverの制作予定は今のところないのですが頑張ってみます!リクエストありがとうございました!! (2020年7月8日 13時) (レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
まぬん(プロフ) - 本編の方(完結した方)読ませて頂きました!!最後の展開が「まさかの?!」的な感じでゾクゾクしました、、!よければこのそらるさんverが見たいです…! (2020年7月7日 23時) (レス) id: d24847e3a9 (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - はっかさん» Another storyも読んで頂いてありがとうございます(><)綺麗だなんて本当に恐れ多いですがそう言って頂けて嬉しいです。更新頑張りますので何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年6月30日 13時) (レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
はっか(プロフ) - 新作ありがとうございます〜!!まさかのAnotherstoryが読めるなんて!!!嬉しい限りです!!やっぱり潮田さんの文めちゃくちゃ綺麗で思わずお話にのめり込んでしまう・・・。くれぐれもご無理はなさらず更新頑張ってください〜!応援してます! (2020年6月29日 20時) (レス) id: ab76ab0808 (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - あかりさん» 好きだと言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます(><)まだまだヤンデレは勉強中ですがそう言っていただけて嬉しいです。更新頑張りますので何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年6月29日 20時) (レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
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