まふまふ警戒症 ― Another story ―

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まふまふside
　
　
　
　
　
　あれから少しの間彼女を宥めて、それから少し謝罪の言葉を述べた。……気がする。あまり覚えてない。けど、彼女が苦しそうな僕に同情するような気の毒そうな表情を浮かべていた。そんな顔をして欲しいわけではなかった、なんて言える資格はない。
　
　
　
　
　｢……大丈夫、｣
　
　
　自分に言い聞かせるように誰もいない廊下でそう呟いた。そして、ドアを開けながらスマホのロックを解除した。
　
　
　
　
　
　 ” 僕と女性の写真が流失している様ですが彼女は僕の恋人ではありません。友人です。僕の仕事が忙しいのでその間、いろはとぽてとの面倒を見てくれていただけです。なので、お願いです。僕の友人を傷つけるのはやめてください。”

　
　
　白々しくそんな言葉をツイートした。すると、飛び交うまふまふを庇う声。それを横目に見つつアカウントを切りかえて例のツイートを消した。これできっとすぐに鎮火できる。もしすぐに出来なかったとしても人の噂も七十五日、そこまで気にすることではないだろう。
　
　
　
　
　｢……作業、しようかな｣
　
　
　
　ワンルームに声が響き、小さく嘲笑を浮かべながら作業室へと足を向けた。刹那、スマホの通知が鳴り響く。急いで見ると数人の歌い手からと彼女からのメッセージ。通知は彼女にしか付けてないから先程の通知音は彼女で間違いない。反動的にそのトーク欄を開こうとしたがその手を止めた。……これ、見ない方がいいのかな。反省してる風、みたいな。安直かなぁ、とは思ったけど今は返す気にもならないしちょうどいいやと思い、そっとスマホの電源を落とした。

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