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そらるside
＊＊＊
ジャケットを忘れてきたのは、もう一度Aに合うための口実───なんて程に、俺は計算高い訳ではない。勿論、普通に忘れた。
「水族館、ねぇ…」
手元にある紙切れを見つめ、呟いた。そう、また会うとはこれが理由だ。この紙はインフォから貰った──押し付けられた──ものである。正直、外なんて出たくないし面倒臭い。でも、折角貰ったんだし、行かないなんて損してると思う。水族館なんて何十年ぶりってレベルだと思うから、ちょっと行ってみたい気もする。
「ペアチケット…」
思わず、呟いた。ご丁寧にペアチケットなのだ。まぁ、一枚だけ貰って、男1人で水族館に行くとなるのも困るのだが。
────ピンポーン
無機質な、音が響く。Aの家に着いたのだ。そして、髪を揺らし、出てきたA。チェーン掛けないって無防備過ぎない？と思っていると、Aは俺に笑顔を向けた。
『そらるさん』
そして、よく見るとその笑みには苛立ちが混じっていた。なんか、した？と思ったが、よく考えてみると、思い当たる点はいくらでもある。そう、こんな時間に来たこととか…
『こんな時間に来るなら連絡してよ』
にっこりと、苛立ちの含んだその笑顔に背筋が凍るような感覚を誤魔化すように、苦笑いを浮かべると、彼女は呆れたような表情をして、家の中に入れてくれた。
＊＊＊
『はい、ジャケット。これ持って早く帰って』
長居させる気は無いようで、すぐにジャケットを手渡される。それを受け取り、ポケットからインフォから貰った水族館のチケットを取り出した。
「これ、一緒に行かない？」
『何？急に』
俺が誘うという行為があまりにも意外だったのか疑うような怪訝そうな顔をして、冷たくそう言うA。愛想ないなー、なんて。まふまふの前では可愛く笑うくせに。
「いや、インフォに貰ったから。女友達なんてAしかいないからしょうがないじゃん」
“友達“、そんな言葉に違和感を覚えつつそう言うと、Aは明らかに面倒くさそうな顔をした。忘れてた。コイツもかなりの引きこもりだ。
『インフォさんと行けば？』
「男2人で水族館なんて勘弁して」
そう言うと、Aは溜息をつき、了承の言葉をくれた。その顔は少し嬉しそうだったので、本当はAも行きたかったのでは？と思ったが、それを聞いたらぶん殴られそうなので黙っておくことにした。
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潮田 陽菜(プロフ) - ろあ。さん» 歌のような恋、とても素敵な表現ありがとうございます(*^^*)そう言って頂けて有難いです。コメントありがとうございましたm(_ _)m (2021年2月26日 1時) (
レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
ろあ。(プロフ) - 歌のような恋ですね。。。なんというか、その、甘酸っぱい感じ？がします！私にはこんな素晴らしいお話書けそうにないのでとっても尊敬してます！ (2021年2月24日 21時) (レス) id: edab8e7c8b (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - トリ@推しキャラたくさんさん» コメントありがとうございます！私的に、そらるさんの感情を書くの、すごく難しくて^^; そう言っていただけて嬉しいです(*^^*)これからもこの作品を宜しくお願いしますm(_ _)m (2018年3月21日 16時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
トリ@推しキャラたくさん(プロフ) - コメント失礼します。このお話、すごく感動しました！そらるさんの夢主ちゃんを思う気持ちが切なくて、思わず泣いちゃいました。素敵な作品を書いてくださってありがとうございます！更新頑張って下さい！！ (2018年3月20日 19時) (レス) id: 0fc1208a5a (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - いちごみるくさん» いえいえ、きちんと言ってもらえる方がコチラとしては有難いので(*^^*)皆さんに読みやすいものを提供できるように色々探してきますねっ！これからもこの作品をよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年3月10日 17時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
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