＊ ページ4
Aside
『…かけ、ちゃった』
通話を終えた後に零れた言葉。だって、しょうがないじゃん。堪らなく、誰かに縋りたくなったんだ。彼はこういう関係を望んだんだ。だから、私もそれに応える。それで、いいじゃないか。何がダメなの？頼っただけ。ただそれだけ。なのに、どうしてこんなにも胸が騒ぐのだろう。
「Aの家、今から行くから。話はお酒飲みながらでもしよう。だから、用意しておいて」
『…よし』
さっき受話器越しに聞こえた緩そうな彼の声が脳内響き、なにか作ろうと立ち上がり、そう言い、切り替えるために頬を軽く叩く。彼も喜ぶようなものを作ろう。
***
『でね、あの子が幸せそうに真冬の話をするのー。もうそれが本当は私が好きって知ってて嫌味で言ってるんじゃないかって思って…そんなこと思っちゃう自分が…本当に情けなくて、悔しい』
彼が来てからお酒を飲み、酔いが回ったところで真冬の彼女…否、今は結婚相手、妻だ。その子の話をした。そう、私とその子は仲が良いと言っていいのかよく分からないがたまにお茶をするような曖昧な関係、その時に毎回と言っていいほどに彼の話題が出て惚気を聞かされ胸がいたんで、引き裂かれそうになる。思わず、話しながら涙が零れる。すると、それにそらるさんは少し驚いたように一瞬硬直したが近くにあった私の手に彼は自分の手を添えた。そして、ぶつかる視線。それは止まることを知らないかのように近ずき重なった。
『そら…』
彼の名前を呼ぼうとすると、黙ってとでも言うように彼はもう一度私の唇を塞ぐ。何度も何度も、角度を変えられてされるそれに頭がボーってして何も考えられない。そして、またあの時を繰り返して、あの関係へと足を沈めていく。堕ちていく。嗚呼、きっともう後戻りはできないんだ。なら、全て流されてしまおう。取り返しのつかないところまで一緒に沈んでしまおう。
そうやってまた。
溺れていく_____
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潮田 陽菜(プロフ) - ろあ。さん» 歌のような恋、とても素敵な表現ありがとうございます(*^^*)そう言って頂けて有難いです。コメントありがとうございましたm(_ _)m (2021年2月26日 1時) (
レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
ろあ。(プロフ) - 歌のような恋ですね。。。なんというか、その、甘酸っぱい感じ？がします！私にはこんな素晴らしいお話書けそうにないのでとっても尊敬してます！ (2021年2月24日 21時) (レス) id: edab8e7c8b (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - トリ@推しキャラたくさんさん» コメントありがとうございます！私的に、そらるさんの感情を書くの、すごく難しくて^^; そう言っていただけて嬉しいです(*^^*)これからもこの作品を宜しくお願いしますm(_ _)m (2018年3月21日 16時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
トリ@推しキャラたくさん(プロフ) - コメント失礼します。このお話、すごく感動しました！そらるさんの夢主ちゃんを思う気持ちが切なくて、思わず泣いちゃいました。素敵な作品を書いてくださってありがとうございます！更新頑張って下さい！！ (2018年3月20日 19時) (レス) id: 0fc1208a5a (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - いちごみるくさん» いえいえ、きちんと言ってもらえる方がコチラとしては有難いので(*^^*)皆さんに読みやすいものを提供できるように色々探してきますねっ！これからもこの作品をよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年3月10日 17時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
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