＊ ページ15
Aside
＊＊＊
『…もしもし、真冬？』
３コール目に出た真冬。そう問うと僕以外だったら怖いでしょ、と小さく笑う声。それに、笑みを零し、伝えた。
『今から、会える？』
｢今から？いいけど…電話じゃダメなの？｣
と、不思議そうに言う彼。彼が心底不思議そうな顔をしている事くらい、顔の見えない今でも、長年彼の隣にいたからわかる。
『うん、ダメなの。私たちが昔よく遊んだ公園に来て。待ってるから』
と言い、一方的に言い、電話を切る。それを不思議に思ったのか、もう一度かかってくる電話。それを出ずに、スマホの電源を落とした。そして、その公園に向かう。嗚呼、ここに来るのは何年ぶりだろう。確か、そらるさん────彼方が引っ越す前まではよく遊んでいた。彼が引っ越した後は自然とその公園に二人共行きたがらなくなり、お互いの家でテレビゲームをして遊んだ。まぁ、そらるさんもすぐに帰ってきて、また公園で遊ぶようになったわけだが……
『…懐かしい』
公園につくと、思わずそんな声が零れた。誰もいない、一人ぼっちの公園。誰もいないのをいいことに、そっと、そのブランコに腰を下ろした。そして、空を見上げる。
『綺麗』
思わず見とれてしまうほど綺麗な空。まるで、彼みたいだ。何人もの人をその歌声で魅了する、あのゆるふわな彼。そっくりだ。
｢A｣
かしゃ、とブランコの鎖のなる音がした。それと同時に名前を呼ばれ振り返ると真冬がいた。その表情が少し切なげで、見たことないくらいの色気があって、どきりと胸が高鳴る。思わず、目を逸らしてしまった。
｢懐かしいね、ここ｣
と、懐かしそうに真冬が言う。覚えててくれたことが嬉しくて、そうだねと返そうとした瞬間、背中に手が触れ、押された。
『えっ！あ、え！なに！』
それは、どんどん早くなって、回る角度が大きくなる。それに、恐怖心すら感じられ思わず悲鳴を上げてしまう。不意に真冬を見るといたずらっ子の様な楽しそうな笑み。私か怖がってるというのにそんな笑みを浮かべるとか、ナチュラルサイコパス…？と疑いながらも止めて、と叫ぶと渋々と言った感じで止めてくれた。
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潮田 陽菜(プロフ) - ろあ。さん» 歌のような恋、とても素敵な表現ありがとうございます(*^^*)そう言って頂けて有難いです。コメントありがとうございましたm(_ _)m (2021年2月26日 1時) (
レス) id: 71e4183107 (このIDを非表示/違反報告)
ろあ。(プロフ) - 歌のような恋ですね。。。なんというか、その、甘酸っぱい感じ？がします！私にはこんな素晴らしいお話書けそうにないのでとっても尊敬してます！ (2021年2月24日 21時) (レス) id: edab8e7c8b (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - トリ@推しキャラたくさんさん» コメントありがとうございます！私的に、そらるさんの感情を書くの、すごく難しくて^^; そう言っていただけて嬉しいです(*^^*)これからもこの作品を宜しくお願いしますm(_ _)m (2018年3月21日 16時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
トリ@推しキャラたくさん(プロフ) - コメント失礼します。このお話、すごく感動しました！そらるさんの夢主ちゃんを思う気持ちが切なくて、思わず泣いちゃいました。素敵な作品を書いてくださってありがとうございます！更新頑張って下さい！！ (2018年3月20日 19時) (レス) id: 0fc1208a5a (このIDを非表示/違反報告)
潮田 陽菜(プロフ) - いちごみるくさん» いえいえ、きちんと言ってもらえる方がコチラとしては有難いので(*^^*)皆さんに読みやすいものを提供できるように色々探してきますねっ！これからもこの作品をよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年3月10日 17時) (レス) id: b5c447886f (このIDを非表示/違反報告)
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