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side Ryohei
静まり返った部屋に響く、風に揺られる草木の音。
独特だけどどこか懐かしい古い本の匂いに、
あっという間にタイムスリップした様な気持ち。
照「お疲れ、ごめん待たせた?」
阿「ううん、大丈夫。お疲れ様、テスト中にごめんね。」
康二がずっとさ、翔太見て高校生やもんな…今絶対楽しいもんな…って言ってたから何となく俺も行きたくなって、
照にちょっぴり我が儘言って、今日はいつもの居酒屋の前に俺達の母校で待ち合わせ。
俺の方が早く着いて、図書館寄って前みたいに少し埃被った分厚い本をぱらぱら捲っていたら、
何だかここに通い詰めたあの頃に戻れる気がした。
阿「教室行く?ここ寒いし照はあんまだもんね。」
照「そうだね、その方がありがたい。ありがと。」
12月に入ってぐぐっと底冷えした気温、室内でもマフラー埋もれたくなる位寒かったし、
照は高校の時からムキムキで生粋の運動系だったから図書室本当は大分縁遠かったよね。
3年D組、俺は窓際一番後ろで照は前の方の席で、
そこまで深く接点があった訳では無いけど、当時の席に座るとどこか変わらなく見える後ろ姿が懐かしかった。
照「阿部ってさ、部活してたんだっけ?ごめん勉強のイメージしかなくて……」
阿「天文部だよ。後図書委員。」
快活で常に皆の中心にいた照とは、少し違う毎日ではあったけど、
ゆったり好きなことやって星を見て思い切り勉強もして、学校行事だって全力で楽しんだ。
そんなことが思い起こされる不思議な空間では、
話しにくい重いことも、澄んだ空気の中にすっと溶けてくれる気がして話し出せた。
阿「翔太さ、入院早まるかも。しんどそうだったし…」
照「そっか…でもさ、もし入院しても…」
退院、出来るんだよな?って確かめる様にいつもより小さな声で聞いてきた照。
不安なのは翔太も康二もご家族も俺達も、皆一緒だった。
阿「大丈夫、きっと。翔太強いから。少しお休みしても絶対又部活行ける様になるよ。」
どんなに願っても叶わないことがあること、自分がよく分かってはいるけれど、願望も込みで言い切った。
決心した様にだよなって頷いて、その阿部の席翔太の定位置なんだよって教壇で笑うかつての同級生は、
いつの間にか頼もしい教師の顔になっていた。
どんな願いも叶えてくれそうな程、星が綺麗な夜だった。
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riu(プロフ) - こはるさん» コメントありがとうございます。アカウント名が以前のままになっていたので訂正いたしました💦お手数ですが再度フォロリクお願いいたします。 (4月12日 10時) (
レス) id: bbb7377fb4 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 青い鳥、垢検索しても出てこないのですが… (4月11日 21時) (レス) id: f9614fe30c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - いつもドキドキしながら読ませていただいています✨ 次の更新も楽しみにしています🥹 (11月19日 3時) (レス) @page11 id: d94f5675d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りる＆riu x他1人 | 作成日時：2023年9月26日 18時
