Day87 ページ3
side Shota
テストも残り２日。
照「翔太、大丈夫か？顔色…」
翔「ん、へーき」
今日は2科目だけだから、さっさと解き終えて机に突っ伏してなんとか1日をやり過ごしたけど。
明日は問題の数学。
休んだら絶対に進級できないし、
今まで必死に勉強してきたのも全部水の泡になる。
そんなの、悔しいじゃん。
せめて明日1日だけなら点滴でなんとかならないかと、
ふわふわする意識の中で向かったのはいつもの病院。
いつもより少し早い時間の循環器科の外来はおじいちゃんおばあちゃんで意外と混み合っていて、
「……ちょぉ、君大丈夫？顔色悪いで」
受付を済ませて、縦にした鞄抱いて、診察まで耐えていたら頭の上から聞こえてきたのは康二と同じ関西弁。
「ごめんな指挟むで」
素早く手首で脈測って、白衣のポケットから出て来たオキシメーターを指に挟まれる。
なんか、手際良すぎてスーパードクターって感じ。
翔「ｹﾎｯ…んっ、ﾊｯ」
「大丈夫大丈夫、ゆっくり息して。…不整脈でとるしサット低いな………動悸しんどいやろ……すぐ先生呼ぶからな、ちょっと横なろか？…凭れてた方が楽？」
鞄に付いているヘルプマーク見ながらぶつぶつなんか言ってる知らない先生に背中をさすられながら必死に呼吸を整えていると
阿「…翔太？」
聞き慣れた阿部ちゃんの声。
「阿部ちゃん知っとる子か。先この子優先しよ。処置室空けて康二に声かけて」
阿「翔太車椅子乗れる？」
ギュッと目を閉じてぐるぐると回る視界に耐えながら車椅子で連れてかれた処置室のベッドに寝転ぶと点滴と酸素を繋がれて、
康「しょっぴー！！！」
点滴されながらウトウトしていた意識の片隅で聞こえてきたのは康二の声。
「薬入れて、酸素3リットルで回しとる。サットも血圧も少しずつ回復しとるから、あとは主治医の康二に任せる。」
康「先生ありがとうございます！」
「じゃ、俺カンファ行かなあかんから。」
ガラッとドアが閉まる音がして颯爽と去って行った見知らぬ先生にお礼言い忘れたどころか、
俺ずっと突っ伏してたし、目閉じてたから顔すら見てねえじゃん…。
康二とも阿部ちゃんとも仲良さそうだったし、今度あったらお礼言わなくちゃ。
助けてくれたスーパードクターに、ありがとうって心の中で呟いて、再び眠気に吸い込まれていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 761人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
riu(プロフ) - こはるさん» コメントありがとうございます。アカウント名が以前のままになっていたので訂正いたしました💦お手数ですが再度フォロリクお願いいたします。 (4月12日 10時) (
レス) id: bbb7377fb4 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 青い鳥、垢検索しても出てこないのですが… (4月11日 21時) (レス) id: f9614fe30c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - いつもドキドキしながら読ませていただいています✨ 次の更新も楽しみにしています🥹 (11月19日 3時) (レス) @page11 id: d94f5675d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りる＆riu x他1人 | 作成日時：2023年9月26日 18時
