人狼ジャッジメント短編集 (ページ8)

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もしもページ8

「もしも、生きてここから出られたのなら
何をしたい？」

マイクは私にそう問いた。

いつ死ぬのかも分からないこの状況で
希望に満ちた話を始めたのは、
きっと気休め程度に私を落ち着かせたかったからなのだろう

「まず、家族と会いたい。それからお風呂に入って、美味しいものも沢山食べたい。それで、海に行きたい。綺麗な綺麗な海を眺めてたい」

舞台の上に立っているかの様に大袈裟に振る舞えば、彼はくすくすと笑っていた。

自分の行いが段々恥ずかしくなってきて、
林檎の様に頬を染めながら唇を尖らせて問い質した

「じゃあ、マイクは何をしたい？」

彼は徐に立ち上がれば、私をそっと抱きしめて

小さな声で呟いた

「Aが傍にいてくれるのなら、なんだっていい。海に行きたいなら、俺も着いていく。美味しいご飯もお風呂も用意してやる。

ここから出たら、家族になろう」

林檎色のほっぺたが、更に赤くなった気がした