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魔性の ページ5
「指定はエマだ」
慈悲を灯さないで、ニックはそう告げた
私は焦る。エマは私の恋人だ。
彼女が助けを求める様に視線を流す
「ま、待って！」
咄嗟に飛び出た素っ頓狂な声は皆の注目を浴びるのには十分だ。
「アンナが凸してる。まだ縄はあるからケアしよう」
我ながらあまりいい案とは言えない。明日こそ彼女が死んでしまうかもしれない。
固く双眸を閉じて、夕日が暮れるのを待った
「さて、本日の投票結果が出たようですね」
短い髭を撫でながらGMが口を開いた
「本日処刑されるのは……
エマさんです」
「…え？」
目を大きく見開いて、辺りを見回す
エマはこっちを見てくれなかった
あぁ、私はもう死んでしまうのか
銃口を向けられた彼女は一点を見つめている
死を覚悟した瞬間、大きな音がした
銃声と、人が倒れる音。
「どうして……」
私の隣でサンドラが横たわっている。
微かに2人を繋ぐ赤い糸が見えたような気がした
なんて、悪い女。
瞳の綺麗な彼女に私は騙されてしまった
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作者名：吟 | 作成日時：2019年1月12日 13時
