人狼ジャッジメント短編集 (ページ3)

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占い師弟ページ3

「ロディ様っ！今日も授業をお願いします」

「……また来たの？」

彼は私を見るなり、ため息をついて椅子に腰をかけた

ロディ様は私のお師匠様。立派な占い師で
いつも優しく授業をしてくれる

「…それじゃあ、今日はメアリーを占おう」

ロディ様が水晶に手を翳すと、それは不気味な光を放ちメアリーを映し出す

ゴクリと生唾を飲み込み、その様子をじっくりと観察する。

真剣に仕事をしているロディ様の横顔は、私だけが見れる特別な表情。少し汗ばんでいて、いつもよりもずっと格好よかった

「ちっ…白か」

【人狼ではない】と表示された水晶を見つめ、ロディ様は机に項垂れた。

どうやらこの頃調子が悪いようだ。思い詰めたような顔をして、机に顔を伏せたまま私に声をかける

「…今日はもう帰りなよ。人狼が来るかもしれない」

それでも気遣いをしてくれるロディ様は矢張り私の憧れで、一生着いていきたいと思わせる風格があった。

「はい。では、また明日…おやすみなさい」

部屋を出る時に一礼してからドアを閉める

その日の夜、ロディ様は人狼の襲撃にあった

私のお師匠様を奪った憎しみを胸に、絶対に狼を見つけようと形見の水晶を手に取った。

今まで教えて頂いた時間は、決して無駄ではなかったはずだ

いくら手を翳して念を込めても、水晶が働くことは無かった