♯20 もしかして ページ21
乃風視点
チケット、渡さないとだな…
そう思いながらも中々蓮に話しかけに行けなかった。
昨日の事があって、もしかしたら嫌われたのではないかと思ったからだ。
芸能界を脱退した私は、同級生から色々言われた。
もちろん、テレビに出ていたからそれなりに言われるのは覚悟していた。
でも実際に言われると、中々心にくるものがあった。
そう考えていると、蓮の方から話しかけに来た。
雨宮蓮「A、おはよう。チケットは持ってきてくれたか？」
乃風A「あ、うん！持ってきた…」
雨宮蓮「Aは、行くのか？」
その質問に少し困る。
出来れば、行きたくはない。
チケットの座席も前線だった。
雨宮蓮「良かったら、来てくれないか？」
乃風A「え？」
その言葉に思わず驚く。
雨宮蓮「いや、行きたくないなら全然…」
乃風A「竜司と、杏も居るんだよね？」
そう聞くと、首を傾げてから肯定するように頷く。
乃風A「皆いるなら、行こうかな…」
アイリスを辞めてからライブに行くのはこれで3回目だ。
だから、緊張する。
私の発言を聞いた後不機嫌そうに蓮は、
雨宮蓮「俺だけじゃ頼りない、って事？」
乃風A「別にそういうつもりで言ったわけじゃないよ…そうあれ、少ないより多い方が良いじゃん。」
少し言い訳じみた事を言うと、納得してなさそうにチケットを受け取った。
受け取った後、そそくさと帰ろうとしている蓮を引き止める。
蓮は驚いたように振り返った。
乃風A「なんでいきなり、由莉の事聞いたの？」
それだけが謎で仕方がなかった。
雨宮蓮「いや、スマホのニュースで見ただけだ。」
嘘だ、そんな事1度も外に出されたことはない。
全部、内部で隠蔽されている。
乃風A「嘘、付かないで。本当の事言って欲しい。」
なぜ私がここまで蓮に問い詰めるのか？
この前の怪盗団の事、あの後にやられるとそりゃ疑わないわけが無い。
いやそもそも、怪盗団自体存在するかなんて分からないはずなのに、ここまで執着してしまうのか。
蓮は口ごもった末、こう言った。
雨宮蓮「また、明日な。」
そんな彼の表情はどこか儚く思えた。
怪盗団じゃないなら、そんな顔しないでよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬう(プロフ) - 白風さん» ありがとうございます！訂正させて頂きますね。 (2022年12月2日 6時) (
レス) id: 7298c2b4e1 (このIDを非表示/違反報告)
白風 - またお見かけしましたらご報告させていただきたいな、と思います。自分のペースで良いので、ゆっくり直していただけたら幸いです。楽しみにしています。 (2022年12月2日 3時) (レス) @page41 id: 5096d0c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
白風 - まだ40ページしか読めていませんが、5、22、24、25、37、40です。余談ですが34の由莉への予告状の文にて、怪盗団が怪盗服になっております。 (2022年12月2日 3時) (レス) @page41 id: 5096d0c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 白風さん» ご報告ありがとうございます。お手数ですが、どの回か教えていただけると幸いです (2022年12月1日 18時) (レス) id: 7298c2b4e1 (このIDを非表示/違反報告)
白風 - あの、名前のところが蘭で固定にされています。 (2022年12月1日 17時) (レス) @page6 id: 5096d0c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬう | 作成日時：2022年1月14日 22時
